超音波キャビティーションピーニング効果の追求と お願い
超音波で、発生するキャビティー(微小真空核群)を 直径10㎜Φ程度まで大きく生成させ、さらに 衝撃力強化のため、キャビティーの消滅速度を強化する技術(キャビティー爆縮技術)の特許が成立。このキャビティー爆縮技術を様々な分野で使用できないか検討を進めている。
有機物の分子レベルの分解、ナノレベルの分解結合、ナノ粒子の生成等々。視点を変えて、ショットピーニング効果と同等な効果を出せるピーニング効果を出せないか、検討を始めた。
キャビティーの爆縮技術は、5mmのアルミ板も破壊できる。金属の表面層に圧縮残留応力をキャビティで生成できるか、確認したい。さらに 耐摩耗性の向上、耐応力腐食割れ特性の向上、放熱性の向上、流体抵抗の減少等の効果をショット材を使用せずに超音波だけで達成したい。
ただ、圧縮残留応力の測定など、当社では、出来ない事が多く、関心をお持ちいただける、お客様がおられたら ぜひ、お声をかけていただけないだろうか。超音波のキャビティーは 圧縮と開放を交互に行うため 同時に応力残差の軽減作用も持つことになり、キャビティーの発生位置のコントロール技術は 従来のバリ取り技術以上に 難しいとは思っている。
実験で確認したい。 by shibano
超音波による農林水産物の分子レベルの粉砕について
有機超高分子ヒアルロン酸の超音波による低分子量化の成功は、さまざまな植物の超音波によるμmレベルの微細化ができるようになったことを意味している。杉などの針葉樹林、トウモロコシの茎や、サトウキビの搾りかすのバガスから、セルロース、ナノセルロースを取り出す以外にも、様々な食品原料の超音波による低分子量化、微細化ができる事は 明らかである。
ただ、対象の食品(植物材料)が、非常に複雑な微量成分の微妙なバランスで 味などが成立している場合は、 超音波によって有効物質を破壊したり、有害物質を生成したりと 目的と真逆な効果が、あらわれかねない。それ故、対象の植物などは、比較的限定されるかも知れない。
ブルースターR&Dは、この分野でも開発研究を継続していく。
MTフェルールのバリ取り洗浄
MTフェルールは、複数の光ファイバーを一度に接続するための部品で、光ファイバー通信システムにおいて 信号の伝送品質や、信頼性を確保する、重要な部品である。光ファイバーの数に応じて 12芯、24芯などがある。
光ファイバーの穴径は、約108µmで 成型加工時にバリが発生する。そのバリを超音波で除去し 洗浄する。
当社(shibano)は、世界に先駆けて 横浜のS社と、共同開発。それ以降、日本、中国のお客様に 多数のMTフェルールバリ取り洗浄機を納入させていただいてきた。
現在 世界中で AI対応のデータセンターの設立が 続いている。MTフェルールの必要個数は 増大する一方で、コスト削減、品質の確保には、今や 超音波バリ取り機は、欠かすことが出来ない。
当社では MTフェルールのバリ取り実験を受け付けております ぜひ、お申し込みください。
積層セラミックコンデンサーMLCC の バリ取り洗浄
MLCC 積層セラミックコンデンサのチップ加工工程において、誘電体シートに内部電極ペーストを塗布した後、それを積み重ね、積み重ねたものに圧力をかけて、圧着し一体成型する。次に積み重ねた誘電体のブロックを1.0mm×0.5mmや1.6mm×0.8mmなどのチップサイズにカットし、カットしたチップを1000度~1300度くらいの温度で焼結する。
焼結前に1.0mm×0.5mmや1.6mm×0.8mmなどのチップを5~10万個を 六角回転かごに入れて 超音波バレル研磨装置にかける。
手動機;PERION-DBRシリーズは、バリ取り、(研磨)、洗浄を行う。自動機;VEGA-DBRシリーズは、入り口コンベアーにカゴをセットすると自動で、バリ取り、(研磨)、洗浄、乾燥を行い出口コンベアーに 出てくる。 完全自動が指定の場合は、六角回転カゴから 5~10万個のチップの出し入れも自動で行い、完全な無人化を実現する。洗浄レベルは、最高度の精密洗浄が可能である。
低分子量ヒアルロン酸の生成技術・特許成立のお知らせ。
肌の若さを保つ働きを持つヒアルロン酸は、分子量200~300万以上の有機超高分子。巨大分子構造のため、皮膚に塗っても真皮迄浸透せず、小じわをなくしたり、潤いを取り戻す効果を期待できない。そのため、美容整形などで、注射などで 真皮層に注入するしか方法がない。
ヒアルロン酸の分子量を 850以下に出来れば、皮膚の表面に塗るだけで 皮膚の下層の真皮迄浸透し、はり、潤いを取り戻し、小じわをなくす効果を期待できる事が知られている。
低分子量ヒアルロン酸は、酵素などを使用して 生成できるが、酵素が高価で、医療用として一部で使われるに留まっている。
ブルースターR&Dは、超音波で発生する直径10㎜φ以上の超大型キャビティ(真空のエネルギーボール)の1秒間に2万回以上繰り返す、正と負の衝撃波で 有機超高分子を破砕、分子量850以下に 低分子化することに成功した。
2024年5月20日 特許成立を確認。
低分子量ヒアルロン酸を 一切の薬品も酵素も使わず、超音波と水だけで、安全に 且つ、大量に 生成できる技術の特許が成立した。
顔や手に塗るだけで、小じわを少なくし、若いころの潤いを取り戻す夢のスキンケア基礎商品の誕生である。
2024年度中に この夢の商品を お客様の家庭に届けたいと思う。
超音波バレル研磨の欠点
超音波バレルと既存のバレル研磨比較すると 超音波バレルには、大きな欠点がある。その大きな欠点を以下に記す。
1,伝統がない。これは、大きな問題である。
私の調査によれば、バリ取りメーカーは、欧米のバレル研磨機製造メーカーを中心に200社以上が確認できる。EUでは、HPを見る限りでは、伝統と技術の伝承が重視され、ドイツでは、親子3代を誇るバレルメーカーも散見される。バレルメーカーの数とその歴史を見れば、世界で、バレル研磨機は、数10万台、いや、数100万台が、現役で使用されているに違いない。そこから、集まる技術情報は、天文学的な数になるだろう。メディアの材質、形状、密度、コンパウンドの種類、量。対象製品の表面への圧力、相対速度、それらの無限ともいえる組み合わせ情報は、世界のバレルメーカーを進化させる。顧客情報を集約管理するバレルメーカーは、情報を数値管理し、お客様の依頼に その無限の組み合わせから、最適な解決手段をたちどころに示すはずだ。これが 伝統である。実績の宝庫である。
超音波バレル技術は、これがない。超音波バレル研磨を実用化しているのは、世界で、わが社のみ。多数の実績をお求めになるお客様の期待には、お答えできない。
2,1回の処理個数に 制約がある。
既存のバレル研磨は、原理上、1個からでも 実験し、データを取れる。超音波バレルは、メディアを使わない。超音波で発生するキャビティーと超音波振動による共擦れを利用する。従って、1回の実験に 原則100個以上使用する。1回の実験で 電子部品などであれば、数万個を使用して、超音波バレル実験を行う。お客様は、原則、実機と同じ希望処理数を準備する必要がある。
3,表面を梨地状にしたり、削ることは出来ない。
既存のバレル研磨は、対象製品の表面にメディアの選択により、様々な加工アクションが可能かもしれないが、超音波バレルは、バリ取りと 研磨のみである。照射時間によっては、角のr付けも、多少可能かもしれない。表面の酸化被膜除去も 可能ではあるが、バレル研磨に劣ると考えて居る。
4,他社の超音波で 実験したことのある超音波バレル効果なしの実績
超音波と言う言葉が同じであれば、その実験結果が 同じというわけではない。超音波洗浄技術の原理を知らず、単に 超音波を使ってみたというだけの 超音波実験の結果が、実に多くのお客様の技術室の記憶の倉庫に眠る。この壁を崩すのが難しい。直径1mm未満の空洞を集合させたガス星雲型のキャビティーを利用する超音波技術は、超音波の信頼を損ない、誤った技術を固定化させかねない。現代は、最大直径10㎜にも達する巨大真空エネルギーボールを無数に発生させて、洗浄やエッチングに使用する超音波技術の時代である。
過去の実績が、進化を否定している。
5,理論化、数値化の壁
新技術の導入は、多くの場合、担当者は、導入部署の責任者から その理論に基づく、数値データによる管理と補償を求められる。超音波で発生するキャビティーが、1個の真空の泡ではなく、さらに小さい真空の泡(マイクロキャビティと称する)の集合であり、それが 同期して、1秒間に2万回以上、発生と消滅を繰り返す。その時、発生する中心核から離れる方向と逆に向かう方向の衝撃波を 正と負の衝撃波と名付け、世界の技術者、研究者に 提起した。あれから40年。まだ、キャビティー内部の解析プログラムは、どこからも提案されていない。秒速1400m~1500mで 伝搬する超音波槽内の音波;粗密波の挙動と音圧の変化も 反射面が1m未満の密閉空間では、手の施しようもなく、スパコンでもなければ 答えが出ない。
ここで 非難して 利用を否定することが出来る。逆に 結果が出た時の現時点で手にできる計測指標で管理することもできる。そして、ゆっくり、しかし確実に 知識の輪を萎めて行く。宇宙生成のビックバン前の世界がどうであれ、我々は、今を生きる事が出来る。
新技術は、いつも逆流の中にいる。