六角カゴ 回転バリ取り洗浄装置について
当社には、非常に多くの微細精密加工品が持ち込まれる。従来は、大部分、平カゴにサンプルを広げ、重なることをできるだけ防いで、超音波バリ取り洗浄を行ってきた。しかし、処理数量が大きくなると、どうしても、2段、3段加工品を重ねて、超音波バリ取りを せざるを得なくなる。そうすると、下段と上段で品質にムラが出てしまう。
それでも、回転かごを使用しなかったのは、かえって、超音波が 当たりにくいと考えていたからである。ただ、最近の実験で、対象物、大きさによっては、回転かごを使ったバリ取りにおいて 非常に良い効果が確認されてきており、回転かごのバリ取り効果、併せて、乾燥効果も見直す必要があると考えている。
従来の重なるが故に品質が安定せず、導入をためらってきたお客様に、回転かごの利用をぜひ、進めたいと思う。
ボンデ処理後の 超音波洗浄について
ボンデ処理(リン酸塩処理)した後のボンデ剤を除去する方法には、キャビティーション強化システム(連続循環脱気システム)付きの超音波洗浄をお勧めする。ボンデ処理⇒冷間鍛造⇒熱間鍛造⇒切削加工などの場合、或いは そのあと、塗装する場合、ボンデ剤の除去が必要になる。この時、深い鍛造の場合は、金属表面が、うろこ状にささくれ立ち、非常に除去しにくくなる。ブルースターは、単に ボンデ剤だけでなく、うろこ状になっている後工程で脱落しかねないはがれかかった表皮も 除去することが出来る。
随時、実験受付を行っているので、必要なお客様は、ぜひ、ご連絡ください。
松くい虫と松枯れ~超音波による対策
松くい虫、松枯れなどと呼ばれる無残な松白骨化の原因は、マツノザイセンチュウという線虫の一種で、1mm足らずの微生物であることが知られています。その媒介者は、マツノマダラカミキリです。
私は、以前JRで、秋田から、にかほ市に向かったとき、線路の両脇に、無数のオブジェのように並ぶ白骨化した松の幹を見て大変驚いたものです。あまりにも無残で、海辺の家々は、日本海の風を遮るものもなく、まともに受ける状況に見えました。
帰社してから、早速、松の手ごろな幹を購入して、幹に超音波をある方法で照射してみました。超音波が、どの程度松の幹を通過するか、その時どのような現象が現れるかです。
結果は、予想をはるかに超えて、超音波は幹を透過、かぶから上部へ伝わることがわかりました。同時に発熱を伴うことも。早速、主な林業試験場、松くい虫研究の大学の先生に結果をお知らせしたのですが、興味を引いていただけませんでした。私は、当然、その分野の素人で、学術的データを提示できるレベルにはありません。でも思うのです。開発は、出発はすべて、こんな素人の思い付きを拾い上げるところから始まるのではないか。
自然界にないエネルギーは、得てして、予想しない効果も 万に一つは、生まれることもあるものです。
by shibano
スクリーン版洗浄機の 営業開始について
高性能メタルマスクの開発と実用化について 大手自動車部品メーカーであるデンソー様との共同開発に成功、国内外で拡販の準備に入りましたが 合わせて、スクリーン版洗浄機についても 販売することになりました。より繊細な超音波技術が必要ですが、液晶業界で APR版洗浄機の多数の実績を持つており、サーボモーターの活用により 問題なく洗浄可能です。販売については、代理店経由の販売方式になる予定です。
精密ネジ リセス部などのバリ取り
現在社会は、精密ネジの大量生産で支えられている。スマートフォン、ハードディスク、各種電子部品など等。それらの精密ネジに 近年特に求められているのは、清浄度である。ハードディスクを組み立てた後、ネジから バリや、コンタミが落ちたのでは、話にならない。不良である。精密ネジの頭の部分・リセスは、様々な加工がされていて、主に鍛造で作る。その時、バリが発生する。精密のネジの生産量は、通常10万個は、少ない方で、100万個単位である。このリセス部にバリが発生すると、ロットで、不良になる。つまり、100万個単位で不良が出る。
このバリを取るのは、至難と言われてきたが、超音波バリ取り装置で 除去できることがわかってきた。強力な超音波で、回転かごに入れた精密ネジを洗浄しながらバリを取る。ぜひ、このような課題を抱えられた精密ネジメーカーさんは、当社に声をかけてほしい。お待ちしています。
ポリフタルアミド(PPA)樹脂 交差穴のバリ取り
ポリフタルアミド(PPA)樹脂は、PPSなどのように 高耐熱性を兼ね備えたポリマーである。自動車のエンジン回りなどの過酷な高温環境で 使用される。薄肉の場合、PPSと同じように 超音波の透過率が高く、精密なノズル、マニホールドなどの 目で見る事、マイクロスコープでの撮影も困難な交差穴のバリでも 超音波バリ取りが可能であることが、実験で分かってきた。
自動車の過酷な環境で使用される、PPS,PPAとも 超音波バリ取りで、バリを除去し、洗浄できることが、判明し、超音波バリ取り洗浄の普及が 加速していくことが 予測されている。