精密プレス板金部品の超音波バリ取り洗浄について
一般に 精密小物の板金部品のバリ取りは、世界中、大部分バレル研磨で行根われている。これは、比較的重労働で、かつ、作業環境が、良いとは言えない、ガラガラと 研磨用の石と一緒にプレス、板金部品をを30分程度回転させて、取り出し、研磨用の石と分離して 洗浄する。そして乾燥。なかなか、これらの作業をする人を確保することは難しい。
そして この作業が、精密プレス板金の品質を支えている。
水のみを使った、六角カゴ回転式の超音波バリ取り洗浄乾燥装置は、それらの労働から、お客様を開放する。かごの中に、1000~25000個プレス板金部品を入れて、コンベアーにセットするだけ。回転しながら超音波バリ取り洗浄を自動的に行う。そして、併せて、バレル研磨と同等以上の表面研磨も行う。そして 乾燥して出てくる。(VEGA-DBRの場合)重労働からの解放だけでなく、工程の大幅な削減と品質の安定につながる。
これから、様々な加工品の世界で、バレル研磨から、超音波バリ取りへの切り替え検証が 進むことを期待している。
銅箔等の超音波エッチング装置について
金型に付着した銅のエッチング除去の性能を上げるため、エッチング液を連続脱気して、超音波を照射する。そうすると無数のキャビティ(微小真空核群)が発生し、エッチング速度を 大幅に上げる事が出来る。もちろん 品質も向上する。エッチング液は、硫酸と過酸化水素の混合液である。以前、超硬チップでは、硝酸の超音波エッチング装置を作り、コバルトの選択的エッチングに 威力を発揮することが出来た。塩酸の超音波エッチング装置は、超音波の振動板が、SUSのため、PPまたは、PVCの板を介して、塩酸槽に超音波を照射する。製造コスト、管理コストが、大きいため 現在塩酸の超音波エッチング装置は、受注していない。
ターボチャージャー用羽根車(ターボファン)の超音波鋳物砂除去技術
2011年ごろ、ガソリン自動車用のターボチャージャーの羽根車(ターボファン)の製造工場をお客様の依頼で 見学させていただいた。特に鋳砂除去工程で、強力な超音波で、鋳砂除去が可能かどうかという問いかけだった。当社は、エンジンブロックなどの超音波鋳砂除去装置は 多くの実績があるが、ターボファンの硬い鋳砂は、初めてである。鋳砂の中に埋もれて、ターボファンは見えず、その現場では、1昼夜、強アルカリ煮沸し、リンス後、ショットブラスト、高圧ジェットなどで、除去する。すさまじい騒音で、頭痛がするほどで、当社への期待が、よく理解できた。
ただ、その時は、当社のバリ取り用超音波では、ほとんど ターボファンの鋳砂は 除去できなかった。
それから、4年。さらに強力な超音波を完成し、改めて、ターボファンの鋳砂除去試験を行った。水の中に鋳砂で覆われて、見えなくなったサンプルを入れて、超音波を照射。4年前と異なり、鋳砂は、たちまち砕けて、超音波の大型キャビティ(球状真空核群)に、塊は、粉砕されていき、5~10分で ほとんど除去できた。同時に10個でも20個でも可能なので、処理量には 懸念は、無い。
お客様には、長い時間がかかったが、新しい比較的静かで安全なターボファン鋳砂除去技術ができたことを 報告した。
超音波振動板の修理について
当社は、バリ取り用で、1枚で、1200W~6000Wの超音波振動板を製作しています。そのため 1枚の振動版には、80個以上の大型超音波振動素子がついています。その中の振動素子が、使用上の不注意などで、破損しても 素子単体の交換方法がありませんでした。予備の素子はついているので配線を切り替えればよいのですが、万一を考えて、破損素子そのものの交換する方法を研究してきました。このほど、その交換技術を確立、これからは 海外などの現場でも容易に交換できる治具の製作などの開発を進めて、より、お客様の信頼にこたえていける超音波バリ取り装置にしていきます。
超音波バリ取り洗浄 ご紹介 3分動画
超音波バリ取り洗浄の紹介動画が できました。3分以内に 短くまとめました。
日本語版 https://youtu.be/5iMnzfUcEd8
英語版 https://youtu.be/7gcxUhsiJAc
ご覧ください。
*無断コピーは ご遠慮ください。
超音波バレル・バリ取り研磨洗浄・実験開始
SUSのミニュチュアベアリングのリテーナーで、超音波バレルにより、バレル研磨と同等以上のバリ除去能力、バレル研磨以上の表面研磨が出来る事が 確認されたことで、当社は、積極的に超音波バレル実験設備を導入し、超音波バレル・バリ取り研磨導入実験を 進めていくことになりました。
主な対象は 精密小物加工品で、リテーナー(保持器)はもちろん、微細なネジ部品、プラス部品も含みます。研磨が出来る原理は、まだ、明らかでありませんが、光沢が出るところを見ると、キャビティーの衝撃力で 表面が非常に滑らかになっていることがわかります。
バレル研磨の性能の改善、作業環境の改善、自動化の推進など、お考えのお客様は、ぜひ、ご一報ください。もちろん、バレル研磨後の洗浄も不要になります。