精密プローブ針のバリ取りについて
最近、超LSI 検査用のプローブガードに使用すると思われるプローブ針のバリ取り依頼が 増加している。 0.15mmφから様々で 中空の細管の端面のバリ取りも行う。非常に小さく細いので、水に浮いて流れて行ってしまうため、密閉容器中に プローブ針を入れて、超音波バリ取り実験を行う。この技術は、医療用の微小精密加工品のバリ取りで 開発された方法である。まだ、プローブ針のバリ取りに 課題をお持ちのお客様は、ぜひ、超音波バリ取り装置で、その性能をご確認いただきたい。
日刊工業新聞社発刊 プレス技術に 連載開始
超音波バリ取り 超音波洗浄の基本から 最新の応用技術までを 日刊工業新聞社の技術雑誌・プレス技術に 4回に分けて連載を開始いたしました。この間、国内外におけるセミナー、技術論文投稿などは、控えてきたのですが、お客様の要望に押され、新しい技術が次々に生まれ、超音波キャビティーションの応用技術も エネルギー効率を求める加工技術として 大きく進化し変わろうとしています。
当社は 機械販売メーカーなので 公開できる情報は 限られてはいるのですが、それでも この世界に関わりのある皆様に刺激を届ける事は出来ると思います。事業の足元を固めながら、様々な方法で 超音波キャビティーション応用技術の情報を発信していきます。
バリ取り比較一覧表
バリ取りにはたくさんの方法がありますが、それぞれ、メリットやデメリットがあります。
ワークに合ったバリ取り方法を選ぶことが大切です。
ぜひこのバリ取り比較一覧表をご覧ください。
超音波バリ取りの優位性がご理解いただけるはずです。
超音波バレル研磨
超音波バレル研磨技術を 2017年初めに発表して以来、超音波バレル研磨機は、その優れた特徴を生かして、静かに世界に普及しつつある。
超音波バレル研磨は、一般のバレル研磨と異なりメディアを使わない。水と超音波だけである。
強力な超音波バリ取り洗浄槽に 断面が六角形の回転カゴを入れ、その中にバリ取り対象のワークを入れる。そして、バリ取り用超音波を照射しながら カゴを回転させる。水以外に なにも入れない。
一般のバレル研磨は、回転する容器の中で、石などのメディアと対象物をこすり合わせて、バリを取り、研磨をする。メディアの出し入れ、管理、交換。 メディアと対象物の分離、洗浄、排水処理などが必要になる。重労働になるが 若者の雇用は難しい。また、原理上、非常に複雑な精密部品、止まり孔などのある製品は、使用しがたい。
超音波バレル研磨は、そのような制限がない。強力な超音波洗浄を同時に行い、排水処理は、不要である。製品同士が、1秒間に4万回以上擦れあい、超音波で発生する球状星雲型キャビティ(微小真空核群)の正と負の衝撃波でバリ取り洗浄をされる。
1㎜程度の微小部品から100mm程度の形状まで、1000個~数万個、同時処理できる。全自動でバリ取り研磨洗浄から乾燥まで行うことができる。
現在、精密プレス部品(時計部品や、ベアリングのリテーナー、医療部品、自動車部品などなど)や、異色では、精密スプリングにも使われている。
超音波バレル研磨機は、一般のバレル研磨機にない特徴を持っており、人件費の削減、品質の向上を通して、お客様の競争力の強化に貢献していけると 信じている。
誤解だらけの超音波エッチング
化学反応に超音波を使って 反応を促進しようという試みは、古くからおこなわれている。しかし、実験室レベルを除いて、超音波が 化学反応の促進に大きな効果を発揮したという事例は、ほとんど耳に入ってこない。
聞こえてくるのは、超音波を使っても効果がなかったという話ばかりで、典型的失敗事例として、負の経験が生産技術などに蓄積されているように見える。本当に超音波は 化学反応の促進に役立たないのか。あるいは、エッチングの高速化、精密化などに 使うのは無理なのか。
調べると、驚く事ばかりが出てくる。多くの事例で、基本的に超音波が理解されていない。基本的に超音波を反応槽に入れて、発振させると超音波の効果が表れると思っている。私は、以前、日刊工業新聞社から、誤解だらけの超音波洗浄と言うビデオを出して、警鐘を鳴らした。超音波洗浄を使うのであれば、最低限、キャビティ(微小真空核群)の発生密度、発生場所、その正と負の衝撃波、そして発生効率などをコントロールすべきだと説いた。その方法を解説した。それをキャビティーションコントロールと称した。
超音波エッチングを語るのであれば、或いは その成否を確認するのであれば、せめて超音波洗浄の基本~キャビティーションコントロールは、理解しておくべきだろう。この理解無くて 超音波エッチングの成否は語れない。
その上で、反応界面における発生気体と超音波のキャビティーのかかわりについて思い至るべきだ。1秒間に2万回以上の正と負の衝撃波を 反応界面で生じさせ、秒速100mで 反応生成物を 反応域から除去する物理的方法は、超音波以外に存在しない。
エッチングと言う世界でも 超音波を正しく理解していただき、利用していただける時代が来ることを 強く期待している。
by shibano
[追伸]中国の石油メーカーで 配管系内に 2400Wの長さ400mmmのそろばん玉状の超音波ホーンを20本取り付け、ある反応促進に利用している現場を見た。効率よりも数で結果を出そうという48000Wの超音波反応炉である。それを 何機も付けるという。使い方は未熟であっても その自由な投資意欲を うらやましく思ったものである。日本は 新しいことは 石橋をたたいても 渡らない、か。
大型金型の超音波洗浄・超音波バリ取り。
様々な金型の洗浄依頼が、当社に来るようになりました。小形から、大型の金型まで。大きいものだと、1000mm×2000mm、800mm×2500mm 2~2.5トンの重さの金型の洗浄依頼も 入ります。もちろん、バリ取りも含みます。私は、最長7mの超音波洗浄の実績がありますが、コスト低減のため現在は 4800Wクラスの投げ込み振動子を、走行させながら洗浄する 超音波振動子走行洗浄方式を推薦しています。
超音波投げ込み振動子を 液中で移動すると 乱流が生じ、超音波を減衰し、時には10~17KHzの可聴音を発生させて、作業者を悩ませますが、当社は、そのような音は発生しません。防止技術は確立しており、安心してお使いいただけます。時には、なげ込み超音波振動子を対抗設置して、自動走行させます。
金型洗浄について 従来タイプについて 課題をお持ちの場合は ぜひ、ご相談ください。
よろしくお願いいたします。