WEB超音波洗浄技術セミナー
真・超音波洗浄技術 超音波バリ取り技術 の 原点です。
基本技術
1、誤解だらけの超音波洗浄技術 2007年の現状
右の画面は、脱気超音波のマッチングが、取れた時の画像です。 今回、中国で私の様々な画像、動画が、勝手にコピーされ、その会社のオリジナル実験映像として、公開・利用されているのをたくさん見つけました。 やむなくコピー防止の一つの策として画像に社名を合成して公開しています。 右の画面は、脱気超音波のマッチングが、取れた時の画像です。今回、中国で私の様々な画像、動画が、勝手にコピーされ、その会社のオリジナル実験映像として、公開・利用されているのをたくさん見つけました。やむなくコピー防止の一つの策として画像に社名を合成して公開しています。 |
超音波洗浄とは水の中に強力な20KHz以上の粗密波、即ち、超音波を放射し、その超音波で発生した泡(空洞)が崩壊するときの衝撃力を利用する洗浄方法である。
これは正しいのでしょうか。誤って居るのでしょうか。まず、この原理の確認から始めましょう。
代表的超音波洗浄の映像
これからご覧いただく映像は、20世紀の代表的洗浄溶剤CFC-113(フロン113)に超音波を放射した時の映像です。あらかじめ、お断りしておきますが、基本的に水、水系以外のほとんど全ての洗浄剤で、同様の映像が確認できます。塩素系有機溶剤、臭素系、炭化水素系、高級アルコール系等‥、基本的状態は同じです。
右図をご覧ください。超音波を発進させるとご覧のように泡が発生します。泡は崩壊することなく、液面に到達し、液面で破裂します。 これをガスエアレーション現象と言います。 泡が潰れたり、分裂したり、縮小したりすることは、ありません。高速カメラでも確認してあります。これは単なる超音波によるガスエアレーション現象です。この泡の中身は、空気である事も確認されていおます。 つまり例のキャビティーでは、ありません。 |
それにしても泡が消えないのです。超音波をかけている間は発生続けます。振動板の表面から無数の泡が柱のように液面までつながります。空気が無限に溶解している?なんてことはありません。実は空気は、超音波で除去した分、液面から侵入再溶解してくるのです。疎水性の溶剤の上に水を入れ水で相対的な空気の遮断ゾーンを作ります。その時の映像が右の画像です。 この状態を続けると液面からの空気の侵入よりも泡となって出ていく空気の量が多いので、やがて空気がなくなり、泡が消滅します。そこで初めて本物のキャビティーは発生!水は一瞬で乳化します。 |
映像分析の結果
*振動板の表面(初期は、槽内各所)から発生した泡は、空気である。
→ガスエアレーションであって、期待されたキャビティではない。
*泡は 液中で崩壊せず、液面で破裂し、飛沫をあげる。
→効果的超音波洗浄をしているように錯覚する。
*約10秒後、振動板表面からは、空気の泡が無数に発生する。
→空気の泡のために超音波が振動板の表面近くで、吸収、遮断されて消える。
*泡の発生は持続する。
→液面からの空気の侵入を止めなければ泡は消えない。
従って、この映像は超音波洗浄の基本映像ではなく超音波が振動板の表面で消去されていることを示す映像である。
超音波洗浄最大の誤解
- 超音波発振時に液中に発生する目に見える泡は、洗浄能力を期待する)キャビティではない。
- 目に見える泡は、超音波の吸収と遮断の働きをする、単なる空気の泡である。
- 超音波洗浄を正しく利用しようとするなら本物のキャビティーを活用しなくてはならない。
2.超音波洗浄とは何か。その正しいの原理の究明
超音波洗浄は、超音波で発生するキャビティ(生成と崩壊時の)の衝撃力を 利用する洗浄方式である。
従って、超音波洗浄を理解するためには、それによって発生するキャビティーションの個々のキャビティーの発生と消滅によって、どのような原理で、汚れが除去されて行くのか、その原理を正しく理解しなくてはならない。キャビティを誤って理解していては 超音波洗浄は語れない。はじめに超音波のキャビティーによって汚れがどのように除去されるか、映像によって確認しましょう。
撮影は、1990年ごろです。
ガラス基板上の汚れが、超音波で発生したキャビティーにより、除去されていく様子です。いわゆる泡は、存在しません。 | 動画をくりぬいてアニメーションにしたので、基点が揺れていますが、ご容赦ください。ガラスの厚さは5mmです。 1000分の1秒の画面のコマ送りです。 |
超音波洗浄 汚れ除去の原理
超音波洗浄技術のこの20年の沈滞の大きな理由は、超音波洗浄とは何か、その基本的な理解に 誤解があった事が原因である。
超音波洗浄システムは、周辺技術の進歩とお客様の要望に従い、急速な進歩を遂げた。搬送技術、計装技術、板金溶接技術、等‥。
しかし、超音波洗浄技術の基本的な中身に、ほんの一部を除いて大きな変化は見られない。外観や、搬送技術が進化しても、超音波による洗浄技術そのものに基本的革新がなければ、超音波洗浄技術は、時代の要請に応え得ない。
新時代に対応する革新的超音波洗浄技術を使い切るためには、まず、超音波洗浄とは何か?何故、汚れが取れ、何故、取れないのか?その原理について深い理解と誤解の払拭が必要である。
超音波洗浄の 汚れ除去の原理(正しい理解を!)
超音波洗浄とは、液体の中に 強力な超音波を放射し、そのとき発生する空洞(キャビティ)の生成時と消滅時の衝撃力を利用する洗浄方法である。キャビティが発生しなければ、超音波洗浄とは言い得ない。
つまり 超音波洗浄とは、超音波によって発生するキャビティを洗浄に利用する技術である。したがって、超音波洗浄を理解し、効果的に利用するためには、キャビティ、そしてキャビティの生成、消滅の現象(キャビティーション)を正しく理解することが 基本的条件になる。
液体の中に 強力な20KHz以上の音波、即ち超音波を照射する。液中に一定以上の音圧変化が発生すると、いわゆるキャビティが発生する。
キャビティーは、多数の真空核(マイクロキャビティー)によって構成され、その全体の大きさは周波数、音圧変化の大きさによって変わるが、実用レベルでは、約100ミクロンから10数ミリである。