超音波砥粒・バリ取り・研磨技術の進歩について
超音波洗浄機を糧にと 志してきた者にとって、砥粒は、除去の対象であって、利用に役立てる対象ではない。そのせいか、超音波バリ取りの販売に当たり、お客様から、エッジコーナーを 砥粒を使って 丸めて欲しいと言う依頼には、多少抵抗があったかもしれない。
この20年砥粒を使って バリを取る、角をとる、目的の超音波砥粒研磨は、ほんの2~3例を除いて 結果を残すことが出来ずにいた。砥粒も手に入る様々なものを 使用して実験してきたが、お客様から喜ばれる結果を残せないで来た。
今回、超音波と砥粒の関係について再考し、新しい理論的な方向性で、砥粒を選択。あらためて、超音波砥粒研磨実験を行った。特に 超音波だけでは 除去しにくいバリの徐去に挑戦した。その結果は、見事に除去に成功、新しい考えが 正しいことを証明してくれた。
超音波砥粒が、有効な手段になりえることが証明された。表面は 微細に砥粒で研磨され、角のR付く程度になるから バリは、当然除去される。早速 課題が残ったままのお客様に 実験成功の連絡を入れ 再実験をお願いした。
今まで 破れずに居た壁のひとつを 越えたのは確かで、より安定にするのは 数多くの実験をこなすしかない。超音波と水だけで 満足のいかない精密加工品について 積極的に砥粒も使用して行こうと考えている。
真・超音波洗濯機
超音波洗濯機の開発を進めています。家庭用の超音波洗濯機の開発の最大ポイントは、業務用ではないので、コストの低減設計です。デザインは、専門家にお願いするとして、様々なアイディアを総合して、最後の関門をクリアしたように思います。〔特許出願〕。量産については、家庭用については、当社の規模では、無理なので、日本、台湾、中国などの元気な家電メーカーと 技術提携交渉を進め、もっとも、信頼できる会社と 業務提携する予定です。日本の一般家庭に 早く届けられるように がんばっています。ご期待下さい。
バフ研磨後の洗浄
バフ研磨後の洗浄について、最近、洗浄が うまくいかないという話を聞くことが、多くなりました。バフ研磨後の洗浄技術は、日本の時計産業の発展とともに、磨かれてきたように思います。当時、確立されたはずの洗浄技術では、ありますが、時代に合わせて 変化しなくては いけない部分もあります。 バフ研磨後の精密洗浄は、材質によって、弱アルカリ、または、中性の洗浄剤を使うわけですが、発生させるキャビティは、現在は、必ず球状星雲型を使います。球状星雲型のキャビティーは 振動板に垂直方向に 高速移動しますから、その特徴を生かせる洗浄装置を準備します。球状星雲型は、ガス星雲型のキャビティーと異なり、連続発生移動距離も長く、吸引力が大きいので、微細な止まり穴などに入り込んでいるバフ粉も容易に除去できます。洗浄スピードも格段に速くなります。
超音波振動板のバフ粉対策、温度設定、ろ過方法は、昔と同じで、変化は ありません。違いは 超音波で発生するキャビティ(微小真空核群)の使い方だけです。洗浄実験で 違いをお見せできますので、洗浄効率をさらに上げたい場合は、ご相談下さい。
高速・真空前処理型・超音波洗浄機の実用化に成功
当社は、真空機器製造メーカーの協力を得て、真空前処理型・超音波洗浄機の 高速化に成功した。エンジンブロック(550X300X150mm)を 2個同時に 真空前処理して、超音波洗浄する。鋳砂の精密徐去である。超音波は、1個のエンジンブロックに対して 対抗両側面同期発振・25KHz基本周波~275KHzの同時多重波、2400W×2台の4800W.2台のエンジンブロックで、9600W。超音波出力密度は、2W/cm2。エンジンブロックを同時に2個、挿入して真空前処理後、キャビティーション強化システムつき超音波洗浄をする。
当社は、真空超音波洗浄とは、呼称しない。真空下においては、どのように強力な超音波を照射しても キャビティ(微小真空核群)の崩壊速度が遅すぎて、期待する洗浄力は、得られないからである。
エンジンブロックを挿入して、両手起動で、洗浄開始。真空前処理⇒超音波洗浄(鋳物砂徐去)⇒原位置 の サイクルは エンジンブロック2個で、75秒未満の高速処理である。 真空前処理型・超音波洗浄システムは、空気の影響を克服する最良の手段であるが、時間がかかることが、欠点であった。この高速・真空前処理型の実用化の成功で、最も大きな欠点を克服することが出来たことを お客様に ご報告したい。
また、洗浄対象物を、液体に浸漬してから、減圧して、洗浄物から空気を抜こうとする方法は、洗浄物周辺に 気体を多く含む液体を作り出すことであり、真空にした意味を失う。真空にする意味は、洗浄対象物の隅々まで、脱気状態の液体で、満たすことにある。繊維状物質を 水に浸漬してから 真空引きするのと あらかじめ真空前処理をして、空気を含まない繊維状物質を 脱気した液に浸漬するのと 比較すれば良くわかる。 高速・真空前処理型・超音波洗浄機は、鋳物砂徐去だけでなく、空気を抜きにくい様々な洗浄対象物、バリ取り対象物に 利用されると考えている。
ご期待いただきたい。[高速・真空前処理型・超音波鋳砂徐去装置は、TOPページの専用機シリーズをクリックして お入り下さい。]
金型超音波洗浄・強アルカリ不要! 中性・時には 水だけでOK。
プラスチックの射出成型金型などでは、強アルカリ洗浄剤が、当たり前のように使われている。高温の強アルカリは、ある意味で、生体には、強酸よりはるかに怖い。にもかかわらず、何故、強アルカリは、それだけの危険があるにもかかわらず、金型洗浄に使われているのだろうか。何のために、高いコストの洗浄剤を 危険を承知で、使うのだろうか。 後処理の中和、排水処理の費用までかけて、使われているのだろうか。ガラス質のような薄膜が、金型の重要部分についているときは、アルカリの力を借りる場合がある。それ以外で、使う意味が、わからない。焼きこげ状の汚れは、当社の金型超音波洗浄機では、水だけでも落ちる。薄い中性洗剤で、浸透性高めるのは、悪くない。 お客様に お願いしたい。金型超音波洗浄。もう一度 見直していただいても良いのではないか。技術の進歩は、早い。大きな環境改善と コスト削減が 可能であるかも知れないのだから。
強力型・倍出力・真・超音波洗浄機 PERION-EH2 シリーズ発売開始へ
当社のキャビティーション強化システムつき超音波洗浄機は、バリ取りと異なり、超音波出力密度は、1W/cm2です。キャビティーション強化システム(正しくキャビティーションが、コントロールされた超音波洗浄槽を前提に、効率的脱気システムを付帯させたシステム。球状星雲型のキャビティ~微小真空核群~を効率的に発生させる。)の威力は 強烈で、洗浄は、1W/cm2で、充分でした。しかし、その後、金型洗浄で、強アルカリなどを使わず、水だけで徐去するとか、化繊用ノズルの精密洗浄とか、1W/cm2で、充分結果を出しにくい分野も広がりはじめ、洗浄分野でも、2W/cm2を必要とする分野が、当社に持ち込まれるようになりました。その原因の多くが、作業環境問題です。
一般の超音波洗浄で 除去できない場合、強アルカリ洗浄剤に頼る傾向にあり、水だけで 除去できることへの期待が 大きいのです。そこで、当社は、従来の強化システムつきPERION-EHシリーズ(超音波出力密度1W/cm2)に PERION-EH2シリーズ(超音波出力密度2W/cm2)を加えたシステムを販売することに致しました。特に金型などのように焼き付いた汚れに有効です。強アルカリを使っているお客様。一度、水の真・超音波洗浄の威力をお試し下さい。納入時期は、6月からの予定です。