ベアリング リテーナーの バリ取り と、表面改質
ミニチュアベアリング等の 精密ベアリングのリテーナー(保持器)のバリ取りは、大部分が、バレル研磨で行われている。しかし、リテーナーの端面のバリは、硬く厚い。バレル研磨でも 十分ではない。その解決策として、超音波バリ取り技術が、使用される。従来のバレル研磨のバリ取り能力を 超音波バリ取りは、越えることができる。また、水しか使わず、洗浄も同時に行うので、バレルのような後洗浄も排水処理も不要である。
最近 バレルと異なり、リテーナーの複雑な形状の金属表面の硬度、平面度などが、同時に改良されていることがわかってきた。超音波バリ取り洗浄には、バリ取り以外にも 表面改質という新しい能力があることがわかってきている。
マット・絨毯の洗浄について
以前、繊維状物質(各種フィルター、衣料品)の高速・高品質・超音波洗浄技術を確立した時、同時に マット絨毯の超音波洗浄技術も 確立していた。マット洗浄実験は、大手メーカーD社の担当本部長の立会いのもとに行われた。3枚のマットを折りたたみ、針金で縛って、その外から、超音波を照射して 内部の洗浄状態を検査する方法で行われ、合格のお墨付きを得た。しかし、設備投資完了直後という理由で 採用にはならなかった。並行して、イランから、絨毯を取り寄せ、これは 独自に 絨毯超音波洗浄実験を行った。イランの絨毯は、豪華で、大きい。非常に高価でもあり、先祖代々引き継がれていく。これも 真空前処理・超音波洗浄である。たたいたりこすったり、することは、無い。つまり絨毯を痛めることはない。イランと西側の関係改善の中、絨毯の超音波洗浄技術も 機を見て紹介していこうと考える。
2014年 韓国第1回 真・超音波洗浄 超音波バリ取り 技術セミナー 終了のご報告
2014年3月13日14日の二日間 韓国安山市で、真超音波洗浄技術、超音波バリ取り洗浄技術のセミナーを行いました。一人で、1日6時間二日間というのは、韓国では、初めての経験ですが 無事、成功裡に終わることができました。反響が大きく、直ちに受注につながったこともあり、年内に 2回目を開くことになりそうです。世界初の超音波キャビティーの 様々な映像を駆使して、超音波洗浄の真実、バリ取りの原理を ご理解いただくように配慮しました。次回は、より緻密に わかりやすく セミナーを行いたいと思います。 by shibano
超音波洗濯機の開発 続報
超音波バリ取り洗浄技術と 超音波洗濯~衣類のクリーニング技術は、基本的に 同様のコア技術である。従って、超音波バリ取り技術の進化は、同時に超音波洗濯技術、超音波クリーニング技術の進化を促す。
中国の江蘇省にある大手家電メーカーから、スニーカーの超音波洗浄機、および、ランジエリー用超音波洗浄機の共同開発を強く依頼された。これは、一般家庭用の超音波洗濯機の実用化への道を開くものである。日本の白物家電メーカーが、現状技術の改良に執着し、根本的技術革新に興味を持たない現状では、中国からの申し入れは、魅力あるものではある。しかし、いつものことだが、ビジネスの販売計画の巨額に対して、技術導入に対する対価は、当社の小型機の利益1台分にもならず、結果として、単に、日本の中小企業の技術を 事実上無償で持っていくという経過しかならず、お断りさせていただいた。
今期は、時間を割いて、超音波クリーニング技術の簡素化と低コスト化の実験を繰り返している。来期もこれをさらに進めていく。超音波クリーニング技術の開発は、同時に 新しい汎用の小型洗浄機の革新につながるものである。
2015年12月の東京ビックサイトの展示会に、超音波クリーニング技術のコア技術を搭載した汎用超音波洗浄機を登場させる。期待していただきたい。
バリ取り振動子 20KHz~275KHz 4800W 3月から バリ取り実験に 投入
従来の超音波バリ取り専用振動子25KHz基本周波~275KHzまでの同時多重波振動子を使った超音波バリ取り装置は 順調に 納入させていただいております。さらに 強力なバリ取り能力を求めて、人間が連続使用可能な 低周波の限界20KHzの超音波バリ取り洗浄に 昨年後半から挑戦してきました。最初は その性能を確認するため1200Wの比較的小さな振動子を使って、使い勝手、従来との性能比較を続けてきました。従来の25KHz基本周波の同時多重波発振に比較して 衝撃波は強いが、むらが 大きいという特徴があるのですが、好結果を出すことも 増えてきました。PPS製品の成型バリ除去では、25KHz型の 倍以上の速度で 良品を作ることができました。そこで、3月初めから この20KHz基本周波型の4800Wの超音波を実験室に投入し、お客様の多様なバリ取り実験依頼に 備えます。
2014年1月 あらためて 真・超音波洗浄技術の勧め。
当社は 設立以来 超音波バリ取り洗浄装置の開発、販売を中心に事業を行ってきました。日本の精密大量生産にかかわる製造業の海外移転とともに 超音波洗浄機の市場が海外に移動、国内市場が 大変小さくなり、国内中心の超音波洗浄装置メーカー同士の厳しい競合が、新しい技術の開発、創造の方に向かわず、低価格化の方向にのみながれているように見えていたからです。市場も その方向に あるように思えました。
一方、アジアは、巨大超音波洗浄機メーカーが 次々出現、中国では、2000人を超す洗浄装置メーカーも少なくなく、零細を含めると、2000社を超すメーカーが競争しています。この傾向は、タイ、インドへと広がっており、日本メーカーは お客様に それらの国の超音波洗浄装置との違いを 明確にできない限り、競争力を失うことは、必死です。機械製造技術の優位さは、日本の機械要素部品の品質の圧倒的な高さに支えられてきましたが、これは、超音波洗浄装置メーカーの努力の結果では、ありません。残念ながら、超音波洗浄技術において アジア各国と日本の差が あるとは もう言い難いと 私は考えています。
このままでは、精密洗浄を必要としている日本のお客様に 日本の独自のより優れた、洗浄技術をお届けできない事態になります。そのため 昨年1月(2013年1月)、超音波洗浄にかかわったことのある日本メーカー90社以上に、私は、約20年前に開発、実用化した、まったく新しい超音波技術[真・超音波洗浄技術]を 供給する用意があると 通知いたしました。技術提携の当社からの申し込みです。これのみが、日本超音波洗浄装置の市場の活性化と アジアにおける競争力強化につながると信じたからです。
反応は ほとんどありませんでした。1年、待ちましたが。
当社は 超音波バリ取りの開発、販売を今まで以上に 力を入れてゆきますが、洗浄の分野にも 2014年は、積極的にかかわっていくことにいたします。お客様に 真・超音波洗浄技術の素晴らしさを ご理解いただけるように 努力いたします。
お客様は、既存の洗浄機で課題をお持ちの場合は、洗浄剤の種類を問わず、ご相談ください。改造含め、お答えします。真・超音波洗浄技術は、万能では、ありませんが、お客様のご協力があれば 最高の性能を保証できます。