再び フッ素樹脂混入PPSの バリ取り
通常のガラス繊維40%レベルのPPS樹脂の精密成型品、精密加工品のバリは、従来の超音波バリ取りで お客様の満足されるレベルに除去することが出来る。個数も1個から 数万個、超音波バリ取り洗浄が、可能である。
しかし、PPS樹脂に フッ素樹脂が混入されていると、汎用の超音波バリ取り洗浄では 急に除去できなくなる。当社のPPS等の精密成型品、加工品のバリ取りには、水を使用する。そのためか、除去性能が 非常に悪くなる。
そこで当社は、開発実験を続けてきて、ようやく、独自の技術を開発、この課題の解決に成功した。自信をもってフッ素樹脂入りのPPSのバリも除去洗浄することが出来るようになった。 安心して 当社に実験を依頼されたい。
超硬チップなどのバリ取り
超硬材料の切断面のバリ取りは、相手が硬いので、強力な超音波バリ取りでも 容易でなかった。この度、超硬板材の様々な形状をした部品断面に出ている超音波のバリ取りに 新技術で 挑戦。
角のバリは、もちろん、切断面も 綺麗に洗浄、除去することが出来るようになった。
従来技術で 無理と判断しても、工夫次第で、劇的に状況を改善する場合がある。その面からも 超音波バリ取りは 発展途上技術であると考えている。
スリーブソレノイドのバリ取り洗浄
スリーブソレノイドの精密加工の進展に伴い、バリ取り、切粉除去の必要性が、ますます高くなっている。外国人女性を多数雇用し、切粉除去や検査をしている会社は、少なくない。しかし、精密加工の進展は、人手による切粉除去や、バリ取りでは、品質管理に追いつかなくなっている。
当社は、スリーブソレノイドのアルマイト処理ラインに自動超音波バリ取り(切粉除去)洗浄装置を納入、国内外で実績を積み重ねている。
トランスミッション周りでは、ミッションケース、バルブボディ、スプールなども 超音波バリ取り洗浄装置が、国内外で活躍している。
微小真空核群(キャビティ)直径10mmの衝撃 公開
超音波洗浄は、超音波で発生するキャビティ~微小真空核群の発生と消滅時の衝撃力を利用する洗浄方法である。発生時に周辺の液体は、押しのけられ、キャビティの中心から 離れる方向へ衝撃波が発生する。これを 私は 正の衝撃波と呼んできた。次にキャビティは 消滅する。その時、周辺液体は、キャビティの発生中心方向へ向かって、高速で移動する。この時発生する衝撃波を 私は、負の衝撃波と呼ぶことにした。(1993年)すなわち 超音波洗浄は、このキャビティーの発生と消滅、正と負の衝撃波を利用する洗浄方式である。汚れを取るという事は、固体表面から 異物を引きはがす事であるから、正と負の衝撃波のどちらが 大きな働きをするかと言えば、当然、負の衝撃波であり、負の衝撃波は、発生時の正の衝撃波よりも わずかに強力である。
そして、超音波洗浄における洗浄力は、キャビティの衝撃力に依拠する。すなわち 超音波洗浄力は、キャビティの発生、消滅時の液体の移動エネルギーに依拠する。私は、かって、超音波洗浄設計の基本は、キャビティーションコントロールであるとした。キャビティーの発生位置のコントロール、発生密度のコントロール、衝撃力のコントロール、そしてキャビティーの発生効率のコントロールである。
その中の衝撃力は、キャビティー発生液管理条件が同じであれば 当然、キャビティーの径に依拠する。キャビティーの1秒間に2万回以上繰り返す正と負の衝撃エネルギーは、キャビティーの発生消滅時のその液体の移動運動量であるから、その運動量は、質量x速度の2乗倍で、キャビティーの直径で考えると、直径が2倍になれば、その運動エネルギーは、2の3乗倍x2の2乗倍~36倍になる。対象汚れの除去に そのエネルギーの一部しか使われないとしても、キャビティーの径は、超音波洗浄の洗浄力に 極めて大きな影響力を持つ。
それ故、ブルー・スター R&Dにおける重要開発テーマの一つは、キャビティーの径をどこまで大きくできるかという事になる。
一般の超音波洗浄のキャビティは、ガス星雲型と1993年に私がなずけた形をして、0.1mm以下の微細な霧状の(空洞)と径0.5~1mmのわずかな真空核が、層雲状にばらついて存在して、同期して 生成消滅を繰り返す。従って、洗浄力の基をなすエネルギーは、その中の最大径の真空核0.5~1mmの液体の移動量である。
ブルー・スター R&Dのキャビティー~微小真空核群は 球状星雲型をなし、洗浄用の場合は、その集団の直径は、最小で 3~4mmになる。一般のキャビティと比較すると、移動体積量だけで、移動速度を入れずに考えても、25~50倍になる。バリ取り用のキャビティーの径は、6~7mmである。はるかに大きい。
そして、今年、超音波によって発生するキャビティーの径を 10mmまで 安定して発生し続けることを確認した。この実験は、3年前から 行われており、3年間の実績をもって 2017年4月、発表・実用化することになっものである。超強力な超音波キャビティーは、強力なバリ取り、バリ取り研磨装置として 実用化されている。
ブルー・スター R&Dと他社の超音波洗浄が何が違うのかと、多くの人に聞かれる。たくさんの違いがある。そのわかりやすい答えの一つが、直径10mmのキャビティーの公開である。
この直径10mmのキャビティ(球状微小真空核群)を 2017年11月29日~12月1日まで 東京ビックサイト洗浄総合展で 透明PV槽で 発現させ、皆様に公開する。その衝撃力を 多くのお客様に 味わっていただきたい。
by y.shibano
スーパーの買い物カゴの洗浄について
スーパーで使用されている買い物カゴは、30~40店舗数の中堅スーパーチェーンで 年間 40~50万個洗浄される。大手スーパーでは、100万個以上になってしまう。各店舗ごとに 集められ、洗浄装置のある工場に集められて、洗浄乾燥した後 各店舗に戻される。一か所に集めて 洗浄するのは、効率が良いし、コストも下がる。さらに、一番いいのは 閉店後に 集めて 洗浄し、開店前に届けることが出来れば、効率が良い。
当社の超強力な超音波洗浄は、カゴの擦り傷に食い込んだ汚れも除去することが出来て、シャワー洗浄、ブラシ洗浄と異なり洗浄効率は はるかに高い。
ただ、問題は、洗浄にあるのではなく 集配のコストと そのドライバーの確保にある。
集配のコストを考えるのであれば、各店舗の駐車場などの一角に 小さな洗浄室を設けて、当社の様な超強力な小型超音波洗浄機を置いて、洗浄、乾燥する方が得策な時代が来ているので販売だろうか。検討に値すると考える。
リードフレームの連続 超音波バリ取り洗浄
リードフレームのバリ取りを ドラム~ドラムで 連続的に行うことが出来る超音波バリ取り洗浄技術を完成した。リードフレームを 1連~5連、ドラム~ドラムで、超音波のキャビティーを集中させることにより、バリ取り、洗浄、乾燥させることのできる技術が 完成。装置は、従来のフープ材の超音波バリ取り装置を改良したもので、25KHz~275KHzの従来のキャビティ(微小真空核群)の直径6~7mmを 基本周波を20KHzまで下げる事により、直径10mmのキャビティーを発生させることに成功したためである。このことにより キャビティーの正と負の衝撃波が 約3倍になり、フープ材のバリ取り速度が 実用レベルになったことが原因である。
さらに モールド後のバリ取りも 可能になっている。ドラムの配置の関係で 3連が 今のところ 適正かと思う。モールド後のリードフレームを 幅30mm間隔位に並べて 超音波槽を通過させる。液体は、水。その間に モールドバリ、へばりついたバリが超音波により 除去されていく。除去されたプラスチック片は、フィルターで回収される。リンス、エアーブローをして ドラムに巻き取られる。
実験も受け付けている。