超音波バリ取りに 使用可能な 液体の種類
超音波バリ取り洗浄は、水から始まりました。お客様の要望に応えるにつれ、超音波バリ取りに使用できる液体は、急速に広がっています。現在、使用できる液体は、以下の通りです。ただし、それぞれに特徴があり、超音波バリ取り性能は、個々に全て変わります。
1、水系 純水、水(市水、工業用水、地下水)、水溶性洗浄剤、水溶性界面活性剤入りの水。クーラント液。水溶性防錆剤。
2、有機溶剤類 トリクロールエチレン、塩化メチレン、パークロルエチレン
3、その他の溶剤類 臭素系溶剤(アブゾール等)、フッ素系溶剤類各種。
4、防錆油、加工油、水溶性切削剤。
5、炭化水素系溶剤 (例、日石;NSクリーン等)
6、その他、高級アルコール類各種。
7、酸、アルカリ水溶液 (超音波エッチング、超音波電界バリ取りエッチングに変化)
表面張力が小さく、粘度が小さく、比重が大きい液体が、使用に適します。ただ、当社としては 出来るだけ、管理しやすい水をお勧めしています。
バフ研磨後の洗浄
バフ研磨後の洗浄の相談が 最近目立っています。良くお聞きすると バフ研磨の意味が分からず、洗浄できるはずのない洗浄剤を使用していたり、ガス星雲型の油除去用の超音波キャビティーを使っていたりで、驚かされています。バフ研磨後の洗浄技術は、約30年前に確立され、解決されたはずの古典技術で、超音波洗浄技術で 悩む必要はありません。
もし、まだ、バフ研磨後の洗浄で 課題をお持ちのお客様がおられたら、ご連絡ください。洗浄実験をして 簡易的ですが、実験報告書をつけて 返送させていただきます。
コネクタ―PPS の 超音波バリ取り洗浄
30万種類ともいわれるコネクター。IT機器。電機、半導体など等には、多数のコネクターが使われており、中でもPPS樹脂を使った超精密コネクターが 急増しています。このコネクター製造には、非常に精密な金型が必要になり、成型部には、マイクロスコープで ようやく確認できる程度の 微小バリが金型の合わせ目に 全面発生します。このバリを取らないと製品にはなりません。
つまり、精密コネクターの製造は、バリとの戦いと言っても過言ではありません。
この微小な孔や突起が多数開いている複雑形状のコネクターのバリ取りは、ショットブラストや バレルでは、やはり限界があります。当社の超音波バリ取り装置は、このようなバリ取りに最適な手段です。バリを取り 同時に強力超音波で精密洗浄されます。コネクターのバリ取りは、超音波バリ取り装置に お任せください。
超音波振動板 再生技術の確立へ
当社の超音波振動板は、基本的に 洗浄用も バリ取り用も 振動板表面に エロージョンが起きて使えなくなるという事は、ほとんど起きない。超音波振動板表面と 反射面である液面、或いは 振動板側面取り付けまでの、対抗槽側面までの距離が適正に管理されており、キャビティーが 振動板表面を走る事はないので、エロージョンが発生しない。
しかし、逆に振動素子の寿命が来たり、予期しない超音波集中が出たりして超音波振動素子が 破壊されることがある。そのような場合、破壊された振動素子のみを 交換することが出来れば、お客様の負担を大幅に軽減できる。
当社は、現在、バリ取り振動板の 一部素子の交換、再生技術の開発を続けており、6月初めには 交換再生実証機の試運転も開始される。ご期待ください。
瞬間洗浄・瞬間バリ取り・実現へ向けて
現在、機械加工の工程間では、洗浄は、ほとんど、行われていない。せいぜい、切り粉を飛ばすエアーブローか、加工油のシャワーである。そして前後の加工機は、μm単位の精度をうたう。しかし、加工時、決して 清浄とは言い難いし、バリは、しっかりついている。それ故、理想として 工程間に 小形の強力な洗浄機、バリ取り機が、設置出来れば、この問題は、解決する。しかし、加工のサイクルタイムは、ほとんど、30秒未満で、その時間未満で、バリ取りは勿論、洗浄も 間に合わない。対応するためには [超]小形の しかし、非常に強力な超音波洗浄機、超音波バリ取り機が必要になる。
これを 仮に 瞬間洗浄・瞬間バリ取りと 呼称して、20年前から その装置製作の可能性を模索してきた。
この度当社は、 20KHz、2400W、4W/cm2の 安定発振に成功、当社の標準バリ取り機の音圧30Vを越して 槽内超音波音圧80Vを 発生させることに成功した。
瞬間洗浄、瞬間バリ取り装置の 実用化に大きく前進できたと、考えている。
6月より 積極的に 実験にも使用していく。
第1次・最強・バリ取り実験開始・4W/cm2
4月23日より20KHz 4W/cm2におけるバリ取り超音波の実験を開始いたしました。50%の出力でも アルミ缶も2~4分で 穴をあけることが出来る過去最強の超音波になりました。この試験が今年度の最強バリ取り試験の開始です。M14mmの高張力鋼のボルトが破断するまで、超音波の強化を続けます。SUS槽が 破壊するか、PZTを固定しているM14のボルトが破壊するか、結果が出るまで 続けていきます。