ソノケミストリー(7)超音波の進化は、止まらない。(美味しいお酒への挑戦)
失敗もある。熊本のある酒造メーカーから超音波を照射して、よりおいしいお酒が出来ないか、相談を受けた。熟成を超音波振動で 促進できないかという試みである。40KHz、600Wの超音波を 酒造メーカーの用意したお酒に 30秒照射して 7人のテスターに味の変化を感じてもらうという事である。
私には、味は、わからない。
試飲の結果は、7人全員が、おいしくなったという評価である。びっくり、やったと思った。
しばらくして、うちの一人が、[あれ?金気がするといった。]・・・・・。全員で、再度試飲。今度は、全員が、金気がする!売れない!だった。
条件はともかく、よわよわしい超音波でも、繊細な日本酒を構成する有機物の何かを 変化させたという事である。この世界にいると、超音波が、自然界の生態系に 影響を与える場面に 時々出くわす。ましてや、ミクロな繊細な生きた有機物の世界に、自然界にないエネルギーを不用意に 当てるのは、つつしみたい。若い時の思い出。
by shibano
(2025.05.29)