既存のバレル研磨と 超音波バレル研磨(2)
バレル研磨には、主に流動式・回転式・遠心式・振動式、磁気式の5種類があります。また、水を加えず固形物を加えるケースがありますが、その場合は乾式バレルといい、また媒材に水を加える場合は湿式バレルといいます。ここでは 主流の湿式・回転方式について話を進めます。
回転方式は、昔から、世界中で使われておりドイツなどでは、親子3代の伝統を守っていることを誇りにしている企業も少なくありません。ワークを回転ドラムに入れて、ドラムを一定方向に回転させてかき混ぜることで、ゆっくりと研磨する方法。構造が単純なため、メンテナンスが容易で、故障が少なく、安価で対応可能。研磨時間は 数十分から数日間。私は、2時間くらいが 多いのではないかと思います。
ワークと 研磨材(メディア)の分離という作業があり、さらに ワークが研磨剤や、コンパウンドで汚れるので バレル研磨後、水系の洗浄を必要とします。勿論、排水処理も 考慮が必要です。以上の工程のため 精密部品の量産工場における自動化には向きません。一般には、重労働になるため、若い人材が集まらず、60歳以上の働き口の少ない男性労働者や、外国人に この作業をお願いしているのが実態ではないかと 思います。
超音波バレル研磨は、真逆です。メディアは 使用しません。六角回転かごに ワークだけを 100個から 数万個入れて水の中でカゴを回転させて、超強力な超音波で、バリ取り・研磨・洗浄を同時に行います。必要に応じて 自動乾燥も容易です。軽作業です。女性でもできます。排水処理の心配もいりません。既存のバレル研磨より研磨時間が早くなります。なぜなら 1秒間に2万回以上の共擦り振動効果と 超音波で発生する直径最大10mmに達する巨大な無数の真空のエネルギーボール~キャビティー(微小真空核群)の正と負の衝撃波による 相乗効果で、バリ取り、研磨、洗浄が行われるからです。
超音波バレルが 実用化され 世界に広がる中で、自動化を進め、人件費削減、品質の安定を通して 自社の国際競争力を強化するために、既存のバレル研磨を続けるか、超音波研磨を導入するか、お客様は どちらを選択されますでしょうか。
当社は、実験も請負加工も 随時受け付けております。6月の東京ビックサイトの日本ものつくりワールドにも1機種出展実演いたします。