プレス加工後のブラシ研磨バリ取り 重大な盲点
プレスで 様々な孔加工をした後 発生するバリを回転ブラシで バリ取り研磨する。ブラシには 微細な砥粒が含まれる。回転ブラシは、バリ除去の効果を上げるため 回転方向、速度などに 様々な工夫、タイプがある。もちろん、シャワー洗浄も同時に行う。
処理後の表面は、プレスによるバリは、除去されているが、無数の微細な傷が 交錯してついている。その交差面のくぼみには、より微細な砥粒が食い込み、発生したカーボンが へばりついている。傷は、無数の微細な2次バリも伴う。
これらの ブラシバリ取り研磨による 2次バリ、カーボン状物質、破砕された砥粒は、交錯する傷の奥に取り込まれており、シャワー洗浄では、除去できない。表面の付着物が流れるだけである。溶剤系の超音波洗浄では、傷に囲まれた奥の異物を 取り出すことは 不可能である。
除去されたかどうかの判断は、2000倍以上の3Dマイクロスコープでも確認できるが、簡単には、アルコールをつけた綿棒で 強くこすると、すぐにわかる。綿棒は、たちまち黒くなる。きらきら光る金属粉も確認できる。
この汚れた状態で、目視では 如何に鏡面で綺麗に見えても半導体、電子部品製造、医療用機器の板金部品としては不適格である。
これらの異物を除去するには 当社の実績では、キャビティー径 6mmΦ以上の超音波洗浄技術が必要である。
ここでは、広範囲に使用されているプレス部品のバリ取り研磨装置において、実は 2次バリや、砥粒残りやカーボン残留など、大きな課題も発生させているのだという事を 指摘しておく。
by shibano
(2020.01.18)