臭素系溶剤と 超音波洗浄 20年
臭素系溶剤を使った洗浄機の引き合いは、この20年で大変少なくなりました。その意味で、臭素系溶剤超音波洗浄機を作る際は、臭素系の超音波洗浄機の性能を最大限に引き出したいものです。残念ながら、超音波を溶剤中で照射した時、多くの泡が 発生するのですが、この目に見える泡は、単なる空気の泡で、超音波で発生する期待されている真空の泡(キャビティ~微小真空核群)とは、全く異なるものだということが、まだまだ、理解されていません。この目に見える泡は、単に超音波の反射と吸収にしか役立たない、中が空気の泡~つまり超音波を使ったガスエアレーション現象に過ぎないと言うことが、いまだ 意外と知られていません。この空気の泡を大気圧下で、継続して消すことが出来た時初めて、求めるキャビティーションが発生して、本当の超音波洗浄が 可能になります。
水と異なり、溶剤は、空気を大変多く溶解しているため、そのまま超音波を照射しても 無数の泡が発生するだけで、期待するキャビティは、発生せず、超音波洗浄とは、言いがたい単なるバブリング洗浄になります。これでは、脱脂と切粉徐去以上の洗浄は、望めません。精密洗浄は、できないのです。
しかし、充分に脱気して、泡の発生をなくし、その水より重い比重(密度)、水より低い表面張力を活用できれば、微小バリも取れる強力な精密洗浄装置になります。これは、CFC-113(フロン113)の末期に 発見され国際会議で公表された事実で、技術が実用化されて 今年は、およそ20年になります。
臭素系溶剤に限らず、溶剤の超音波洗浄技術が、20年前から、変革されず、相変わらず、泡を発生させる超音波[洗浄機}のままであることは 大変、残念に思っています。
(2013.12.06)