シールリングのバリ取り洗浄
トランスミッションやターボチャージャに使われている樹脂製のシールリング部品で、気体や流体をシールする隠れた重要部品。PEEK材、PPS材をベースとし、高いシール性と耐摩耗性を両立している。そのため、シール性能を損なうバリは厳禁で、現在、超音波バリ取り洗浄装置が活躍している。
超音波バリ取り洗浄装置は、他のバリ取り手段と異なり、液体は、水で、誰もが安全に使用でき、同時に精密洗浄も可能であり、乾燥機と連結することができる。。
射出成型機 押し出し機スクリュウの超音波洗浄
射出成型機の押出機スクリューは、定期的に洗浄する必要がある。除去するには、溶剤を使ったり、ショットブラストを使ったり、残った樹脂をブラシ、刃物で削り取る。時間のかかる作業である。当社は、アルカリ系水溶性超音波を使い、強力な超音波で、洗浄することが出来る。グラビアシリンダーの超音波洗浄機と考えは同じである。
ただ、樹脂残りが 非常に厚く受信懲り量が多い場合は、超音波除去にも限界があるので、炭化炉で800℃加熱処理して炭化処理をしていただいてから、強力な超音波洗浄で 清浄化する。
樹脂の種類は、ポリアミド、ポリエステル、ポリプロピレン等。スクリューのサイズは、1500~2000mmである。
当社は、PPS精密成型品の超音波バリ取り機を日本以外に、中国、そして EU諸国に輸出しているが、スクリュウの超音波洗浄機も 受注活動をしていく。
超音波バリ取りに 使用可能な 液体の種類
超音波バリ取り洗浄は、水から始まりました。お客様の要望に応えるにつれ、超音波バリ取りに使用できる液体は、急速に広がっています。現在、使用できる液体は、以下の通りです。ただし、それぞれに特徴があり、超音波バリ取り性能は、個々に全て変わります。
1、水系 純水、水(市水、工業用水、地下水)、水溶性洗浄剤、水溶性界面活性剤入りの水。クーラント液。水溶性防錆剤。
2、有機溶剤類 トリクロールエチレン、塩化メチレン、パークロルエチレン
3、その他の溶剤類 臭素系溶剤(アブゾール等)、フッ素系溶剤類各種。
4、防錆油、加工油、水溶性切削剤。
5、炭化水素系溶剤 (例、日石;NSクリーン等)
6、その他、高級アルコール類各種。
7、酸、アルカリ水溶液 (超音波エッチング、超音波電界バリ取りエッチングに変化)
表面張力が小さく、粘度が小さく、比重が大きい液体が、使用に適します。ただ、当社としては 出来るだけ、管理しやすい水をお勧めしています。
バフ研磨後の洗浄
バフ研磨後の洗浄の相談が 最近目立っています。良くお聞きすると バフ研磨の意味が分からず、洗浄できるはずのない洗浄剤を使用していたり、ガス星雲型の油除去用の超音波キャビティーを使っていたりで、驚かされています。バフ研磨後の洗浄技術は、約30年前に確立され、解決されたはずの古典技術で、超音波洗浄技術で 悩む必要はありません。
もし、まだ、バフ研磨後の洗浄で 課題をお持ちのお客様がおられたら、ご連絡ください。洗浄実験をして 簡易的ですが、実験報告書をつけて 返送させていただきます。
コネクタ―PPS の 超音波バリ取り洗浄
30万種類ともいわれるコネクター。IT機器。電機、半導体など等には、多数のコネクターが使われており、中でもPPS樹脂を使った超精密コネクターが 急増しています。このコネクター製造には、非常に精密な金型が必要になり、成型部には、マイクロスコープで ようやく確認できる程度の 微小バリが金型の合わせ目に 全面発生します。このバリを取らないと製品にはなりません。
つまり、精密コネクターの製造は、バリとの戦いと言っても過言ではありません。
この微小な孔や突起が多数開いている複雑形状のコネクターのバリ取りは、ショットブラストや バレルでは、やはり限界があります。当社の超音波バリ取り装置は、このようなバリ取りに最適な手段です。バリを取り 同時に強力超音波で精密洗浄されます。コネクターのバリ取りは、超音波バリ取り装置に お任せください。
超音波振動板 再生技術の確立へ
当社の超音波振動板は、基本的に 洗浄用も バリ取り用も 振動板表面に エロージョンが起きて使えなくなるという事は、ほとんど起きない。超音波振動板表面と 反射面である液面、或いは 振動板側面取り付けまでの、対抗槽側面までの距離が適正に管理されており、キャビティーが 振動板表面を走る事はないので、エロージョンが発生しない。
しかし、逆に振動素子の寿命が来たり、予期しない超音波集中が出たりして超音波振動素子が 破壊されることがある。そのような場合、破壊された振動素子のみを 交換することが出来れば、お客様の負担を大幅に軽減できる。
当社は、現在、バリ取り振動板の 一部素子の交換、再生技術の開発を続けており、6月初めには 交換再生実証機の試運転も開始される。ご期待ください。