超硬チップの精密超音波エッチング技術
以前、少し古い話ですが、超硬チップの超音波エッチングをMマテリアルさんから依頼され 開発に成功、全自動機を数台入れたのですが、その後 その超音波エッチングの技術をいかす機会になかなか恵まれず、ようやく海外から注目を集めるようになってきたので、それを機会に 超音波エッチング技術の素晴らしさを知って頂こうと思います。もちろん 技術の進歩は、早く、現在の技術レベルは、お客さまも当社も 以前より、遥かに 向上しているのは、当然です。以下は、旧実績レベルの公開可能範囲です。
超硬チップの表面に TiCN等の各種複合コートを確実にするために タングステン粒子Wとコバルト粒子Coで、出来ている表層から、硝酸を使った超音波エッチングで、Coのみを選択的に除去、選択的超音波エッチングを行います。もちろん、単純に 硝酸液に超音波を照射して、Coが 短時間に 均一に ムラなく除去出来るわけでは、有りません。それでは、逆効果です。当社の超音波キャビティーションコントロール技術と 広域同時多重波発振技術が 必須です。
当時、その硝酸のキャビティーション強化技術の開発と実用化により 硝酸濃度100分の一(従来比)、エッチング速度10倍、品質良好の評価を頂き、自動PH調整器、リンス槽、中和槽、乾燥槽を 備えた、全自動装置を 数台納入して喜ばれました。実際の使用濃度は 10分の一に しました。硝酸の消費に対しての補給が 実用的でなかったからです。
化学反応の世界で、超音波の果たす役割は、反応の促進と均一化です。しかし、それを 満足させるためには 超音波洗浄技術に対しての 誤った考えを棄て、真・超音波洗浄技術(言い方を変えるなら、球状の星雲型微小真空核群の正しい応用技術)を理解しなくては、なりません。これが出来なければ 超音波は 化学反応の局部促進と妨害だけです。一部の それゆえ、超音波は 役に立たないと言う強い考えが 有りますが、それは、間違った超音波技術の結果です。
正しい超音波技術が 理解され 化学反応の世界で 素晴らしい活躍が 出来る事を期待しています。 文責:柴野 佳英