電気制御機器の津波塩害対策
電気制御機器の津波塩害対策
日本で 今後予想される大地震・大津波により、海岸に隣接する多くの企業は 塩害の被害にさらされる。早期、事業再開のためには、海水につかった電気制御機器を 洗浄再生できることが 望ましい。新しい電気制御機器が、被害にあった企業に すぐに届くとは 限らないからである。当社は、対策に苦慮する企業からの要望で、海水に長時間浸漬したブレーカーを想定し、析出した塩、錆びで、動作不良になった漏電ブレーカーの 市水による、超音波洗浄・再生実験を行った。もちろん、くみ上げたままである。当社のキャビティーション強化技術による超音波は、PPS樹脂を容易に通過し、内部も強力に洗浄できる。
結果は、大変良好で、内部の塩類、析出した錆びも除去出来た。もちろん、動作にも問題ない。新しい製品が届くまでの繋ぎには、十分使用可能であることが、確認された。
精密転造タップの 超音波バリ取り洗浄
ブルー・スターR&Dは、毎日 日本国内外から送られてくる様々な精密加工品の 超音波バリ取り実験を行っています。全て紹介したいのですが、お客様の預かり品でもありますから、なかなか 直接的な表現で そのバリ取りの結果を皆様にお届けできません。YouTubeには、そのバリ取り実験の様子を掲載することにしました。ただ、対象物を はっきりお見せすることは 出来ないので、超音波バリ取りの強力な超音波で 液面が吹き上がっている状態~つまり 対象物がはっきりは見えない状況で~苦肉の策ですが~公開することにしました。まだまだ、多くの方が 超音波バリ取りを 知っていただいていないからです。
さて、当社は、微小精密ねじのバリ取り洗浄、それも 止まりネジ穴のバリ取り洗浄の実績が、多いのですが、転造タップは、バリが、強く、容易に除去出来ませんでした。今回お客様のご協力もあり、転造精密タップのバリ取り洗浄の成功、自動機も納入することになりました。ここでは、転造タップのバリ取りも可能になった事を紹介します。また、6月初めにYouTube 動画集で、設備の詳細も公開予定です。富山県高岡市に自動バリ取り洗浄乾燥機を納入しますので、ご覧になりたい方は、ご案内させていただきます。
50KHz~275KHz 高音圧・超音波発振器・超音波バリ取り洗浄に登場!
当社の実験室にある超音波バリ取り装置には、今まで、25KHzを基本周波として、275KHzまでの各種周波数の超音波を相乗させ、同時に発振させる広域多重発振器が、ついておりましたが、あまりに 強力で、繊細な半導体部品や、一部の精密加工品の バリ取りや洗浄で、表面に エロージョンや、剥離現象が 起きる例が 見られました。
本日、当社実験室に、50KHzを基本周波とする275KHzまでの 広域同時多重波発振器が、登場、実験に使えるようになりました。超音波の音圧は、20~30Vで 高音圧です。音は 静かで、キャビティーの大きさは、25KHzに比べると小さく、数が、8倍になります。半導体部品や、繊細な電子部品のバリ取りや、精密洗浄に 使用できます。非常に音圧が高く 効率が良い為、手を入れるのは 大変危険で、納入機は、全て 保護装置をつけて、発振中に 液中に 指などを入れられないようにしてあります。振動板の出力密度は、原則2W/cm2です。
以上、ご報告申し上げます。
化学反応と超音波キャビティーション・ ソノケミストリー
超音波で発生するキャビティーションを 化学反応の促進に使用すべきと 訴え初めて20年(by shibano)。なかなか お客様に 賛同を得ることが出来なかった。わずかな私の成功事例などからでも 明らかに推論できる超音波エッチング、超音波有機合成の可能性など、機会あれば 訴えてきたつもりだが、いつも大きな壁にぶつかってきた。それは、各企業の存在する超音波と化学反応にまつわる無数の失敗事例である。ある大手メーカーの生産技術では、確固とした失敗の実験結果とデータがあり、私に賛同した若手技術者の提案は、部内で 一蹴されて潰えた。
原因は、いつもひとつ。どこでも 実験失敗の原因は 一つである。
超音波で発生するキャビティーに関する悲しいくらいの無理解が 原因である。
超音波に由来するキャビテーションを利用した化学作用をソノケミストリーと言うなら、多くの現場での期待したソノケミストリーへの この20年の挫折事例の多くの原因は、あきらかに キャビティーションの発生原理への無理解に起因する。
以前、アメリカで行われた、超音波により常温核融合試験の システムを 入手したことがあるが、これも検証に堪えない超音波を理解していないものが組み上げたシステムだった。
近年、ソノケミストリーが、ひそかなブームだと 来社されたお客様が 言われる。それであれば、ソノケミストリーを志す技術者、研究者の方に 期待する。ぜひとも 超音波を理解していただきたい。発生させるキャビティーを理解していただきたい。そのうえで ぜひとも、超音波の新しい分野を 大きく切り開いていただきたい。ソノケミストリーの未来は 明るい。
by shibano
バリ取り専用・強力キャビティー発生・超音波振動素子・完成報告
超音波バリ取りの分野の開拓を始めてから、20年。従来の洗浄用の超音波振動素子25KHz70W(50W)素子の限界を早くから感じて、そのPZTを利用して100W素子を開発、超音波バリ取り、超音波鋳物砂除去などに使ってきて15年。さらに強力な超音波振動(球状キャビティーの創造)を求めて模索してきましたが、従来タイプの素子の改良をあきらめ、2010年春から、超音波バリ取り専用振動子の開発を始めました。
より強力な超音波を安定的に発生する、低コストのバリ取り専用の振動素子の開発です。当社では、すでに 2400W~14400Wの振動板を多数制作して 納入してきたので、容易にそれらと交換できるものでもなくては なりません。何より 当社の厳しい使用条件に鍛える必要がありました。
2010年末から 2011年1年間の実験を通して、お客様に安心して、供給できるバリ取り専用超音波振動素子が出来上がったことを ここで 報告いたします。この素子を使用して、超音波バリ取り、超音波鋳砂除去、そして、超音波のキャビティーの化学反応への応用(ソノケミストリー)などなどへも より優れた結果を 求めていきたいと思います。もちろん、さらなる独自の超音波振動素子の開発の手も 緩めることはしません。2012年、ご期待ください。(なお この振動素子は、社外には 販売いたしません)
精密研磨・研削後の超音波バリ取りのご案内
精密用のダイヤモンドホイールやダイヤモンド砥石による研磨や研削後の 微小バリ除去に 超音波バリ取り装置が使われています。古くは、油圧機器のローター、スプール類の超音波バリ取りからです。両端をY字の治具に乗せて、下部から強力な超音波を当てると シャフトなどが 超音波のキャビティーの衝撃と振動で回転し、円周に均一な超音波バリ取りが 行われます。
エンドミルなどの切削工具のバリ取りの場合は、超音波照射時間が 長すぎたり、超音波が 強すぎたりすると、刃面の欠けにつながるので、短時間商社が基本です。その場合の強さと時間は、やはり実験で決めてきました。
センタレス精密研磨後のバリの多くは、 コーナーの前面に発生してはいますが、根元が 大変薄いので 超音波バリ取りに 最適です。他の手段のように 大切な仕上げ面に 傷をつけることは ありませんし、エッジは、そのまま保存されますから、大変有効です。時に エッジに Rを 付けて欲しいと言うお客様もおりますが、超音波バリ取りだけでは、無理で、電解超音波との併用が必要です。
当社では、随時バリ取り実験を 受け付けております。ぜひ、お問い合わせください。