超音波振動板のメンテナンス
振動板は、命。技術の結晶。ノウハウの塊。 最高の性能は、正しい理解とメンテナンスから。 誤解だらけの超音波洗浄からは、何も生まれない。 疑問が生まれたら、Blue Star R&D へ。
超音波振動板の正しいメンテナンスの方法
超音波振動板は、 正しい使い方をされて初めてその性能を発揮します。
超音波振動板の使い方が正しくなければ、目的の効果を十分だす事が出来ないばかりか、大変早く寿命が来てしまいます。
液体の種類、液体の温度、実際の発振周波数、溶解気体の含有量、液面、反射面の位置~すなわち液深、液の流れの方向、濾過機のつけ方、乱流防止の意味、対抗発振の正しい方法……などなど。
キャビティーションが正しくコントロールされた超音波槽でお使いである事を前提としてお話いたします。
当社の振動板は、投げ込みタイプのフランジ方式です。
これは有効範囲全体に均一な振動を必要としているからです。
上画像は窒化チタン処理製品です。
これは有効範囲全体に均一な振動を必要としているからです。
上画像は窒化チタン処理製品です。
超音波振動板の表面管理
超音波振動板は無数のキャビティ(微小真空核群)をその表面から発生させ、そのキャビティーの生成と消滅時に発生する正負の衝撃波で洗浄やバリ取りを行います。
従って、振動板にもその衝撃波が無数にあたります。振動板に傷がついていたり、表面が柔らかかったりすると、表面に無数の小さな穴(最初は白く曇ったように見えます。)が発生します。これをエロージョンの発生と言います。これは25KHzクラスでは原理上避ける事が出来ません。50KHzではほとんど発生しません。
しかしこの発生を抑え、出来るだけ長く使う事は可能です。
その最大のポイントは、超音波槽の管理です。まず液の深さは液体の種類、温度、周波数から計算して、必ず適正な液深さに常時設定してください。液の深さが変わるようでは、洗浄効果はもちろん、エロージョンの抑止も出来ません。この点は購入した超音波メーカーにお聞きください(当社でもご相談に応じます)。
エロージョンが発生した場合
月1回はエロージョンの発生状態を観察してください。エロージョンが大きくなったと思われたら、当社へ写真を撮って送って対策などをご相談ください。振動板の予備を持ち、エロージョンが目立ってきたら(エロージョンで発生した微細な穴が3mmのステンレスの板を貫通して、液が振動素子側に出てきてしまう事が有ります)交換して、その間に当社で診断、あるいは補修可能であれば補修致します。
エロージョン防止用チッカチタンコート超音波振動板
振動板の修理
当社の場合、振動板には必ず予備の振動素子が取り付ける事のできるスタッドボルトがあります。4800Wの振動子の場合、最低96本の振動素子が振動板についており、全て並列に接続されています。
当社は出荷前に必ず発振テストを行い、その振動素子(3600Wの場合は72本)の全てを発振状態下で検査して、独自の基準で判断して出荷しています。
振動板の検査方法は、振動板の製作と同じく当社の大切なノウハウです。
振動板はお客様にとって大切なもので安いものでもありません。問題があれば必ず分解して振動素子を検査し、傷んだものは交換、あるいは追加して再出荷しています。
振動板の分解、検査、修理は超音波メーカーの重要な業務です。
その検査結果は次の使用状況への指針となるものです。
- 超音波振動板