バリ取り専用・強力キャビティー発生・超音波振動素子・完成報告
超音波バリ取りの分野の開拓を始めてから、20年。従来の洗浄用の超音波振動素子25KHz70W(50W)素子の限界を早くから感じて、そのPZTを利用して100W素子を開発、超音波バリ取り、超音波鋳物砂除去などに使ってきて15年。さらに強力な超音波振動(球状キャビティーの創造)を求めて模索してきましたが、従来タイプの素子の改良をあきらめ、2010年春から、超音波バリ取り専用振動子の開発を始めました。
より強力な超音波を安定的に発生する、低コストのバリ取り専用の振動素子の開発です。当社では、すでに 2400W~14400Wの振動板を多数制作して 納入してきたので、容易にそれらと交換できるものでもなくては なりません。何より 当社の厳しい使用条件に鍛える必要がありました。
2010年末から 2011年1年間の実験を通して、お客様に安心して、供給できるバリ取り専用超音波振動素子が出来上がったことを ここで 報告いたします。この素子を使用して、超音波バリ取り、超音波鋳砂除去、そして、超音波のキャビティーの化学反応への応用(ソノケミストリー)などなどへも より優れた結果を 求めていきたいと思います。もちろん、さらなる独自の超音波振動素子の開発の手も 緩めることはしません。2012年、ご期待ください。(なお この振動素子は、社外には 販売いたしません)
精密研磨・研削後の超音波バリ取りのご案内
精密用のダイヤモンドホイールやダイヤモンド砥石による研磨や研削後の 微小バリ除去に 超音波バリ取り装置が使われています。古くは、油圧機器のローター、スプール類の超音波バリ取りからです。両端をY字の治具に乗せて、下部から強力な超音波を当てると シャフトなどが 超音波のキャビティーの衝撃と振動で回転し、円周に均一な超音波バリ取りが 行われます。
エンドミルなどの切削工具のバリ取りの場合は、超音波照射時間が 長すぎたり、超音波が 強すぎたりすると、刃面の欠けにつながるので、短時間商社が基本です。その場合の強さと時間は、やはり実験で決めてきました。
センタレス精密研磨後のバリの多くは、 コーナーの前面に発生してはいますが、根元が 大変薄いので 超音波バリ取りに 最適です。他の手段のように 大切な仕上げ面に 傷をつけることは ありませんし、エッジは、そのまま保存されますから、大変有効です。時に エッジに Rを 付けて欲しいと言うお客様もおりますが、超音波バリ取りだけでは、無理で、電解超音波との併用が必要です。
当社では、随時バリ取り実験を 受け付けております。ぜひ、お問い合わせください。
フィルム洗浄装置の今日的あり方。
光学用フィルム、液晶関係でいえば、PVA,TAC,PETなどの フィルムの洗浄について、たまたま あるメーカーが出願した、それらのフィルム洗浄装置の出願内容を見て 驚いた。理由は、30年前だろうと 誰が考えても それ以外思いつかないフィルム状洗浄機の常識的概念のみが、それだけが、出願内容に 刻まれていたからである。
プラスチックフィルム洗浄機を考える場合に、はっきりさせなければ ならないのは、付着している塵埃、フィルム微粉などの付着力である。その付着力の大きさが 一定レベル以下なら、ドライ超音波も 利用可能になる。ただ、この場合は、超音波漏れによる人的被害を出さないためにも、超音波完全遮蔽技術の確立が 設備の前提になる。筆者は、以前、蘇州で この開発実験を続けており、実用化のめどは、付いたと考えている。
付着力が 一定以上だと 残念ながら 超音波の力を借りることになる。この場合、ガス星雲型のキャビティーの利用は、論外であって、球状星雲型のキャビティ(微小真空核群)の利用に限る。そのうえで、高速洗浄の必要性と 繊細さを考えると 超音波のキャビティーの大きさは、一定の範囲に限られるから、最適な超音波の周波数は、おのずから特定される。(WEB上で 今日的な最新技術を見せられると 思っていたら、30年前の古典しか出てこないので、あえてここでは、数値的公開を控える) つまり 球状星雲型キャビティーの大きさと密度をそろえて、フィルム通過帯に 高密度のキャビティー群を生成させる。フィルム洗浄には この技術が 前提となるだろう。
フィルム表面からの異物の除去は、洗浄の前提であって、洗浄サイクルの一部にすぎない。再付着不可能な位置への異物の移動をどのようにして 図るかは、ランニングコスト設計からも 洗浄設計者の 腕の見せ所である。
液切にしても 乾燥にしても 可能なら ぜひ、今日的な光る技術をに出会いたいと願う。
当社は、そのすべてにおいて、理論上、最適なシステムを示すことができる。理論上破たんしている場合は、実務で成功の可能性はない。これが洗浄である。 フィルム洗浄をお考えのお客様で 現状のやり方に疑問を持たれる方は ぜひ、当社に お問い合わせ願いたい。 by shibano
マニュピレーター(ロボット)とのコラボ
ますます複雑、精密になる通信機器、支える精密板金加工。結果として 多くの切断面、抜き面に 微細なバリが発生します。ショットブラスト、バレルで、この複雑・精密・繊細な板金加工複合物のバリ取りは 出来ません。大部分のバリは、当社の強力な超音波バリ取り洗浄技術で 除去することができます。しかし、時には、一定の場所で、どうしても加工技術上、バリが、厚くなり、超音波バリ取りだけで 除去しにくくなる場合が、出てくることが、あります。
当社は、局部的に除去しにくいバリを 大きめの超音波のキャビティーを 一点に集中させて 発生させる技術を開発中ですが、ロボットとのコラボも、有効であると考えています。
除去しにくい部分を マニュピレーターを使って、ワークを抑えると同時に モーターユニットの先端工具を 10000~30000回転で、当てて、比較的厚いバリを除去(この時 微細な2次バリは、気にする必要は、ありません。後工程の超音波で 除去できるからです。)、直後に 超音波バリ取り用の専用カセットに チャックして 置いてきます。あとは、当社の強力超音波で 全てのバリを 超音波バリ取り洗浄で、仕上げます。
バリ取り用に 小型の6軸垂直多関節形産業用ロボットが、たくさん使われています。防水構造、防塵構造の悪環境でも使われています。しかし、対象物の全加工面を ならっていくのは、時間の無駄で、事実上不可能です。それは、超音波バリ取り装置に お任せください。
ロボットの特徴を生かして、超音波バリ取り技術との コラボの推進を お勧めいたします。
離型剤の除去 アルカリ系洗浄剤の超音波強化技術
アルミダイキャストの離型剤の除去は、超音波洗浄で除去できないと 言われ、驚いて実験しました。検査は、接触角法です。アルミダイキャストの接触角測定は、フォトマスクなどと異なり、表面のあれ、非平面などの影響で、数値的にすっきりしたデータには、なりません。しかし、ある程度、判断材料には、なります。
アルカリ系の水溶性洗浄剤の真・超音波洗浄、すなわちキャビティーション強化システム付き超音波洗浄システムで、離型剤の除去は、十分可能だという結論に至りました。超音波洗浄で無理と言うのは、従来のガス星雲型のキャビティー利用の超音波洗浄方式での話です。
当社の球状星雲型キャビティー(微小真空核群)の強力なキャビティー群が、問題の離型剤を除去し、後工程への問題を解決いたします。離型剤の除去でお困りのお客様。あきらめず、ぜひ、当社にお問い合わせください。実験いたします。 ご確認ください。
進化する超音波バリ取り技術
ブルー・スターR&Dは、1週間に 平均5社の立会バリ取り試験と、10件以上の預かりバリ取り実験を 行っています。満足いく結果を出せなかったものは、出来るだけ、お預かりさせていただいて、継続的な試験を 随時行っています。サンプルの種類、バリの形状、材質、求める品質など等、ほとんど全てが 異なります。まず、同じ条件は、ありません。
超音波振動素子も 開発が進んでいます。今年に入ってからは、80W、25KHzのバリ取り専用振動素子を使った、3600Wが、バリ取り実験の主力になっています。いわゆる高音圧型超音波振動素子です。スタッドボルトは、M12xP1.0の 特注品です。振動素子の開発も 続いています。
バリ取り技術の工夫と 開発も 必然的に 日々 行われています。もちろん お客様の熱意と協力がなければ 何もできません。サンプルが ないと データも取れないのです。
超音波バリ取り技術は、わずかずつでは、ありますが、確実に進歩、進化しています。従来のバリ取り技術に ご不満のお客様は、ぜひ 一度 お問い合わせください。

