50KHz~275KHz 高音圧・超音波発振器・超音波バリ取り洗浄に登場!
当社の実験室にある超音波バリ取り装置には、今まで、25KHzを基本周波として、275KHzまでの各種周波数の超音波を相乗させ、同時に発振させる広域多重発振器が、ついておりましたが、あまりに 強力で、繊細な半導体部品や、一部の精密加工品の バリ取りや洗浄で、表面に エロージョンや、剥離現象が 起きる例が 見られました。
本日、当社実験室に、50KHzを基本周波とする275KHzまでの 広域同時多重波発振器が、登場、実験に使えるようになりました。超音波の音圧は、20~30Vで 高音圧です。音は 静かで、キャビティーの大きさは、25KHzに比べると小さく、数が、8倍になります。半導体部品や、繊細な電子部品のバリ取りや、精密洗浄に 使用できます。非常に音圧が高く 効率が良い為、手を入れるのは 大変危険で、納入機は、全て 保護装置をつけて、発振中に 液中に 指などを入れられないようにしてあります。振動板の出力密度は、原則2W/cm2です。
以上、ご報告申し上げます。
化学反応と超音波キャビティーション・ ソノケミストリー
超音波で発生するキャビティーションを 化学反応の促進に使用すべきと 訴え初めて20年(by shibano)。なかなか お客様に 賛同を得ることが出来なかった。わずかな私の成功事例などからでも 明らかに推論できる超音波エッチング、超音波有機合成の可能性など、機会あれば 訴えてきたつもりだが、いつも大きな壁にぶつかってきた。それは、各企業の存在する超音波と化学反応にまつわる無数の失敗事例である。ある大手メーカーの生産技術では、確固とした失敗の実験結果とデータがあり、私に賛同した若手技術者の提案は、部内で 一蹴されて潰えた。
原因は、いつもひとつ。どこでも 実験失敗の原因は 一つである。
超音波で発生するキャビティーに関する悲しいくらいの無理解が 原因である。
超音波に由来するキャビテーションを利用した化学作用をソノケミストリーと言うなら、多くの現場での期待したソノケミストリーへの この20年の挫折事例の多くの原因は、あきらかに キャビティーションの発生原理への無理解に起因する。
以前、アメリカで行われた、超音波により常温核融合試験の システムを 入手したことがあるが、これも検証に堪えない超音波を理解していないものが組み上げたシステムだった。
近年、ソノケミストリーが、ひそかなブームだと 来社されたお客様が 言われる。それであれば、ソノケミストリーを志す技術者、研究者の方に 期待する。ぜひとも 超音波を理解していただきたい。発生させるキャビティーを理解していただきたい。そのうえで ぜひとも、超音波の新しい分野を 大きく切り開いていただきたい。ソノケミストリーの未来は 明るい。
by shibano
バリ取り専用・強力キャビティー発生・超音波振動素子・完成報告
超音波バリ取りの分野の開拓を始めてから、20年。従来の洗浄用の超音波振動素子25KHz70W(50W)素子の限界を早くから感じて、そのPZTを利用して100W素子を開発、超音波バリ取り、超音波鋳物砂除去などに使ってきて15年。さらに強力な超音波振動(球状キャビティーの創造)を求めて模索してきましたが、従来タイプの素子の改良をあきらめ、2010年春から、超音波バリ取り専用振動子の開発を始めました。
より強力な超音波を安定的に発生する、低コストのバリ取り専用の振動素子の開発です。当社では、すでに 2400W~14400Wの振動板を多数制作して 納入してきたので、容易にそれらと交換できるものでもなくては なりません。何より 当社の厳しい使用条件に鍛える必要がありました。
2010年末から 2011年1年間の実験を通して、お客様に安心して、供給できるバリ取り専用超音波振動素子が出来上がったことを ここで 報告いたします。この素子を使用して、超音波バリ取り、超音波鋳砂除去、そして、超音波のキャビティーの化学反応への応用(ソノケミストリー)などなどへも より優れた結果を 求めていきたいと思います。もちろん、さらなる独自の超音波振動素子の開発の手も 緩めることはしません。2012年、ご期待ください。(なお この振動素子は、社外には 販売いたしません)
精密研磨・研削後の超音波バリ取りのご案内
精密用のダイヤモンドホイールやダイヤモンド砥石による研磨や研削後の 微小バリ除去に 超音波バリ取り装置が使われています。古くは、油圧機器のローター、スプール類の超音波バリ取りからです。両端をY字の治具に乗せて、下部から強力な超音波を当てると シャフトなどが 超音波のキャビティーの衝撃と振動で回転し、円周に均一な超音波バリ取りが 行われます。
エンドミルなどの切削工具のバリ取りの場合は、超音波照射時間が 長すぎたり、超音波が 強すぎたりすると、刃面の欠けにつながるので、短時間商社が基本です。その場合の強さと時間は、やはり実験で決めてきました。
センタレス精密研磨後のバリの多くは、 コーナーの前面に発生してはいますが、根元が 大変薄いので 超音波バリ取りに 最適です。他の手段のように 大切な仕上げ面に 傷をつけることは ありませんし、エッジは、そのまま保存されますから、大変有効です。時に エッジに Rを 付けて欲しいと言うお客様もおりますが、超音波バリ取りだけでは、無理で、電解超音波との併用が必要です。
当社では、随時バリ取り実験を 受け付けております。ぜひ、お問い合わせください。
フィルム洗浄装置の今日的あり方。
光学用フィルム、液晶関係でいえば、PVA,TAC,PETなどの フィルムの洗浄について、たまたま あるメーカーが出願した、それらのフィルム洗浄装置の出願内容を見て 驚いた。理由は、30年前だろうと 誰が考えても それ以外思いつかないフィルム状洗浄機の常識的概念のみが、それだけが、出願内容に 刻まれていたからである。
プラスチックフィルム洗浄機を考える場合に、はっきりさせなければ ならないのは、付着している塵埃、フィルム微粉などの付着力である。その付着力の大きさが 一定レベル以下なら、ドライ超音波も 利用可能になる。ただ、この場合は、超音波漏れによる人的被害を出さないためにも、超音波完全遮蔽技術の確立が 設備の前提になる。筆者は、以前、蘇州で この開発実験を続けており、実用化のめどは、付いたと考えている。
付着力が 一定以上だと 残念ながら 超音波の力を借りることになる。この場合、ガス星雲型のキャビティーの利用は、論外であって、球状星雲型のキャビティ(微小真空核群)の利用に限る。そのうえで、高速洗浄の必要性と 繊細さを考えると 超音波のキャビティーの大きさは、一定の範囲に限られるから、最適な超音波の周波数は、おのずから特定される。(WEB上で 今日的な最新技術を見せられると 思っていたら、30年前の古典しか出てこないので、あえてここでは、数値的公開を控える) つまり 球状星雲型キャビティーの大きさと密度をそろえて、フィルム通過帯に 高密度のキャビティー群を生成させる。フィルム洗浄には この技術が 前提となるだろう。
フィルム表面からの異物の除去は、洗浄の前提であって、洗浄サイクルの一部にすぎない。再付着不可能な位置への異物の移動をどのようにして 図るかは、ランニングコスト設計からも 洗浄設計者の 腕の見せ所である。
液切にしても 乾燥にしても 可能なら ぜひ、今日的な光る技術をに出会いたいと願う。
当社は、そのすべてにおいて、理論上、最適なシステムを示すことができる。理論上破たんしている場合は、実務で成功の可能性はない。これが洗浄である。 フィルム洗浄をお考えのお客様で 現状のやり方に疑問を持たれる方は ぜひ、当社に お問い合わせ願いたい。 by shibano
マニュピレーター(ロボット)とのコラボ
ますます複雑、精密になる通信機器、支える精密板金加工。結果として 多くの切断面、抜き面に 微細なバリが発生します。ショットブラスト、バレルで、この複雑・精密・繊細な板金加工複合物のバリ取りは 出来ません。大部分のバリは、当社の強力な超音波バリ取り洗浄技術で 除去することができます。しかし、時には、一定の場所で、どうしても加工技術上、バリが、厚くなり、超音波バリ取りだけで 除去しにくくなる場合が、出てくることが、あります。
当社は、局部的に除去しにくいバリを 大きめの超音波のキャビティーを 一点に集中させて 発生させる技術を開発中ですが、ロボットとのコラボも、有効であると考えています。
除去しにくい部分を マニュピレーターを使って、ワークを抑えると同時に モーターユニットの先端工具を 10000~30000回転で、当てて、比較的厚いバリを除去(この時 微細な2次バリは、気にする必要は、ありません。後工程の超音波で 除去できるからです。)、直後に 超音波バリ取り用の専用カセットに チャックして 置いてきます。あとは、当社の強力超音波で 全てのバリを 超音波バリ取り洗浄で、仕上げます。
バリ取り用に 小型の6軸垂直多関節形産業用ロボットが、たくさん使われています。防水構造、防塵構造の悪環境でも使われています。しかし、対象物の全加工面を ならっていくのは、時間の無駄で、事実上不可能です。それは、超音波バリ取り装置に お任せください。
ロボットの特徴を生かして、超音波バリ取り技術との コラボの推進を お勧めいたします。