精密ネジ リセス部などのバリ取り
現在社会は、精密ネジの大量生産で支えられている。スマートフォン、ハードディスク、各種電子部品など等。それらの精密ネジに 近年特に求められているのは、清浄度である。ハードディスクを組み立てた後、ネジから バリや、コンタミが落ちたのでは、話にならない。不良である。精密ネジの頭の部分・リセスは、様々な加工がされていて、主に鍛造で作る。その時、バリが発生する。精密のネジの生産量は、通常10万個は、少ない方で、100万個単位である。このリセス部にバリが発生すると、ロットで、不良になる。つまり、100万個単位で不良が出る。
このバリを取るのは、至難と言われてきたが、超音波バリ取り装置で 除去できることがわかってきた。強力な超音波で、回転かごに入れた精密ネジを洗浄しながらバリを取る。ぜひ、このような課題を抱えられた精密ネジメーカーさんは、当社に声をかけてほしい。お待ちしています。
ポリフタルアミド(PPA)樹脂 交差穴のバリ取り
ポリフタルアミド(PPA)樹脂は、PPSなどのように 高耐熱性を兼ね備えたポリマーである。自動車のエンジン回りなどの過酷な高温環境で 使用される。薄肉の場合、PPSと同じように 超音波の透過率が高く、精密なノズル、マニホールドなどの 目で見る事、マイクロスコープでの撮影も困難な交差穴のバリでも 超音波バリ取りが可能であることが、実験で分かってきた。
自動車の過酷な環境で使用される、PPS,PPAとも 超音波バリ取りで、バリを除去し、洗浄できることが、判明し、超音波バリ取り洗浄の普及が 加速していくことが 予測されている。
精密プレス板金部品の超音波バリ取り洗浄について
一般に 精密小物の板金部品のバリ取りは、世界中、大部分バレル研磨で行根われている。これは、比較的重労働で、かつ、作業環境が、良いとは言えない、ガラガラと 研磨用の石と一緒にプレス、板金部品をを30分程度回転させて、取り出し、研磨用の石と分離して 洗浄する。そして乾燥。なかなか、これらの作業をする人を確保することは難しい。
そして この作業が、精密プレス板金の品質を支えている。
水のみを使った、六角カゴ回転式の超音波バリ取り洗浄乾燥装置は、それらの労働から、お客様を開放する。かごの中に、1000~25000個プレス板金部品を入れて、コンベアーにセットするだけ。回転しながら超音波バリ取り洗浄を自動的に行う。そして、併せて、バレル研磨と同等以上の表面研磨も行う。そして 乾燥して出てくる。(VEGA-DBRの場合)重労働からの解放だけでなく、工程の大幅な削減と品質の安定につながる。
これから、様々な加工品の世界で、バレル研磨から、超音波バリ取りへの切り替え検証が 進むことを期待している。
銅箔等の超音波エッチング装置について
金型に付着した銅のエッチング除去の性能を上げるため、エッチング液を連続脱気して、超音波を照射する。そうすると無数のキャビティ(微小真空核群)が発生し、エッチング速度を 大幅に上げる事が出来る。もちろん 品質も向上する。エッチング液は、硫酸と過酸化水素の混合液である。以前、超硬チップでは、硝酸の超音波エッチング装置を作り、コバルトの選択的エッチングに 威力を発揮することが出来た。塩酸の超音波エッチング装置は、超音波の振動板が、SUSのため、PPまたは、PVCの板を介して、塩酸槽に超音波を照射する。製造コスト、管理コストが、大きいため 現在塩酸の超音波エッチング装置は、受注していない。
ターボチャージャー用羽根車(ターボファン)の超音波鋳物砂除去技術
2011年ごろ、ガソリン自動車用のターボチャージャーの羽根車(ターボファン)の製造工場をお客様の依頼で 見学させていただいた。特に鋳砂除去工程で、強力な超音波で、鋳砂除去が可能かどうかという問いかけだった。当社は、エンジンブロックなどの超音波鋳砂除去装置は 多くの実績があるが、ターボファンの硬い鋳砂は、初めてである。鋳砂の中に埋もれて、ターボファンは見えず、その現場では、1昼夜、強アルカリ煮沸し、リンス後、ショットブラスト、高圧ジェットなどで、除去する。すさまじい騒音で、頭痛がするほどで、当社への期待が、よく理解できた。
ただ、その時は、当社のバリ取り用超音波では、ほとんど ターボファンの鋳砂は 除去できなかった。
それから、4年。さらに強力な超音波を完成し、改めて、ターボファンの鋳砂除去試験を行った。水の中に鋳砂で覆われて、見えなくなったサンプルを入れて、超音波を照射。4年前と異なり、鋳砂は、たちまち砕けて、超音波の大型キャビティ(球状真空核群)に、塊は、粉砕されていき、5~10分で ほとんど除去できた。同時に10個でも20個でも可能なので、処理量には 懸念は、無い。
お客様には、長い時間がかかったが、新しい比較的静かで安全なターボファン鋳砂除去技術ができたことを 報告した。
超音波振動板の修理について
当社は、バリ取り用で、1枚で、1200W~6000Wの超音波振動板を製作しています。そのため 1枚の振動版には、80個以上の大型超音波振動素子がついています。その中の振動素子が、使用上の不注意などで、破損しても 素子単体の交換方法がありませんでした。予備の素子はついているので配線を切り替えればよいのですが、万一を考えて、破損素子そのものの交換する方法を研究してきました。このほど、その交換技術を確立、これからは 海外などの現場でも容易に交換できる治具の製作などの開発を進めて、より、お客様の信頼にこたえていける超音波バリ取り装置にしていきます。