超音波によるバフの除去について~球状星雲型キャビティーの利用
バフ研磨後の洗浄は、40年来の洗浄業界の課題で、除去方法は、時代によって変化してきた。以前は、溶剤を使用することが多かったが、現在は、アルカリ系洗浄剤を使用することが多い。
アルカリ系水溶性洗浄剤を使用する場合は、温度を 35℃~55℃にして、超音波を照射して洗浄する。
ブルー・スターR&Dと 他社との違いは、この時のキャビティーの形状にある。ブルー・スターR&Dは、通常、直径3~6mmくらいの球状星雲型キャビティーを発生させて、その正負の衝撃力で バフ粉と劣化した、時には、焼き付いてカーボン化した獣脂を除去する。他社の場合は、直径1mm未満のマイクロキャビティーが、筋状に連なって生成するガス星雲型キャビティーの正負の衝撃力を利用して 洗浄する。前者は、キャビティーは、単独で、振動板に垂直方向に秒速50m以上で移動するが、後者は、振動板に水平方向に筋状に並んで密集し、存在する。これを 定在波ができていると言ったりすることがある。
液体の種類が同じで、温度も同じ、周波数も同じであれば 超音波で発生するキャビティーの衝撃エネルギーは、質量の移動であるから、直径の3乗に比例し、速度の2乗に比例する。従って、直径1mmの衝撃エネルギーと 直径5mmの衝撃エネルギーの差は、直径の比率の5乗倍になる。すなわち当社のバフ除去用のキャビティーの1個の衝撃力(あえて、正~発生時、負/爆縮~消滅時)は、他社の1mmの5の5乗倍~3125倍になる。実際には、1mmのキャビティーが水平方向に集団で存在するため、この数値の10分の一以下程度には、緩和されるとは考える。また、1mmのバフ残り(1㎜角とする)に対して、発生したキャビティの全エネルギーのうち使用されるエネルギーは、約300の一である。もちろん、このバフ滓が、直径5mmのキャビティ球面上に存在していちにあると仮定している。
いずれにしても 当社の球状星雲型の正と負の衝撃力は、一般の超音波洗浄の10~100倍で、その衝撃エネルギーをバフの除去に使用する。
バフ除去で お困りのお客様が まだおられたら、ぜひ、当社の実験室で、課題を解決していただきたい。 by shibano