超音波バリ取り 利用限界周波数への 挑戦
超音波バリ取り技術は 御承知のように 超音波で発生するキャビティー(微小真空核群)の生成、消滅時の衝撃力を利用する技術です。その正と負の衝撃力は、キャビティーの発生と消滅時に 移動するその液体のエネルギーで 代替することが出来ます。
従って、超音波洗浄技術者、その極限的応用である超音波バリ取り技術者は、より大きなキャビティーを より高速で発生消滅させ、その発生密度をより高くすることを考えることになります。超音波洗浄と超音波バリ取りのキャビティーへの関わり方の違いは、後者が 純粋に キャビティーの衝撃力の強化を目指すところにあります。
超音波振動板の発振諸条件を 同じと仮定して 1個のキャビティーにのみ、注目して考えると、キャビティーの径は周波数に反比例し、生成、消滅速度は、周波数に比例します。 25KHzと20KHzで 比較検討すると キャビティーの衝撃力は、20KHzは、25KHzの1.25倍になります。しかし、20KHzの超音波は、人間の可聴域限界にあり、危険でもあります。
当社は お客様の要望に対応して 超音波バリ取りの利用下限限界周波数の20KHzに挑戦し 実験を続けています。もちろん、事故を起こさないように細心の注意を払いつつです。( この実験で 以前、充分 技術を持っていなかった筆者shibanoは 何度も気絶した経験があります) 衝撃力が 現在の1.25倍のキャビティー発生を実現するための実験です。
結果が出ましたら 皆様に 御報告いたします。
(2013.09.21)